訓練部屋。

□伝わらない
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プロイセンがドイツと統一した日、プロイセンはこの世から消えてしまった



東ドイツにあたるプロイセンは、西ドイツに吸収されたのだ



「吸収」という名の「消滅」



でも、もうそんなことはどうでもいいか




プロイセンはもう、いなくなってしまったのだから。




“兄”であるプロイセンを失くしてしまったドイツのショックは、計り知れない。


訓練をしていても、いつもの怒鳴り声は聞こえてこない。訓練をふざけても、サボっても、失敗しても、替わりに聞こえてくるのはため息だけ。

そのため息だっていつもと違った。いつもならあきれ果てたような、それでも、しょうがない奴だな、って感じがするため息のつき方だった。それなのに。


今は、プロイセンが居なくなったことでの負担や、プレッシャーが、全部ドイツにのし掛かっていた。
見ただけでわかる、いつもならどんなに疲れていてもそれを微塵も感じさせないよう周りに気を配っていた彼が、今、とてつもなく疲れているんだと言うことが。
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