拍手・リクエスト小説

□ハロウィンver.
1ページ/3ページ

〜高杉晋助ver.〜

気温は低くなり、ブルゾンやコート達の出番が出てきた。夏服とは来年までお別れで、これからは、秋物と冬物が登場する。

秋の夜空はキラキラと銀色の星達が輝く。空気が澄んでいて、美しく見える。金色の満月が登場し、本日に限って何故か気分が高ぶる。

街の方では人々の賑やかな声が溢れる。橙色と黒で街が染まり、欧米の行事で盛り上がっている。あちこちに南瓜のランプが置かれて、人々は着物からお化けや精霊の仮装をして盛り上がっている。
本日はキリスト教の諸聖人の祝日「万聖節」の前夜祭で、悪魔祓いや収穫の感謝をする祭りだ。天人が地球に住み着いてから、このような行事も江戸で行なわれる様になった。
地球人は初め抵抗があったものの、その内慣れてきて当たり前の事だと受け入れた。

「他所の祭りとはいえ、これはこれで悪くはねぇな」
周りの楽しんでいる様子を見て、機嫌良さそうに隣に歩いている貴方に話しかける。祭りが好きな高杉は貴方に強制的に仮装させ、街へ出かけた。街には仮装している人間が多いし、高杉も仮装している為、警備している真選組は指名手配中の高杉がいる事に気付かないだろう。

「お前のその仮装も中々良いぜ、修道女の仮装」
褒められて思わず頬が熱くなる。丈が膝下まである純白の修道服を纏い、ヴェールにレースをあしらい、フレアする袖口と胸元にもレースが使われており、銀色のチョーカーを首に付けると、女性の清純で可愛らしさを引き立たせる。この衣装は高杉の有能な部下 河上万斉が手配し用意したものだ。何故に修道女の仮装なのかと高杉に問うと。

「穢れのねぇ、純粋で美しいもの程壊したくなる……聖職に就いている女は特にな」

そう返答した時、意地悪でサディスティックな笑みを浮かべた高杉は、吸血鬼の仮装をしていても、まるで残酷な悪魔に見えるのは気のせいだろうか。背筋が凍った。

「祭りが終わったら俺の船に行くぞ。勿論、その格好のままでな……麗しいシスターになったお前の味、堪能させてもらうぜ……朝までな」

耳元で呟かれる甘く危険な言葉は、貴方を
期待と羞恥という桃色に染め上げる。
このまま祭りが終われば、この妖艶な吸血鬼に赤い血ではなく貴方自身が食われる。
例えお菓子を差し出しても無意味だろう。どのみち高杉は「悪戯」するのだから。
残酷にも時間が早く過ぎてしまい、高杉に連れられて甘い喘ぎ声を搾り出された。

翌日、爽やかな朝を迎えた。半裸の高杉の隣には、中途半端に脱がされた貴方の淫らな寝ている姿。ヴェールは外され、胸元から股辺りまで乱暴に引き裂かれいる。その所為で白い乳房や太股が見える。首筋から足の付け根まで赤い“華”が咲いている。高杉が付けたものだ。余程貴方の修道女姿に欲情したのだろう。正に、魔物に食われた聖女だ。
満足げに笑う高杉は貴方の髪を優しく撫ぜる。

「お子様のお菓子なんざ俺ぁいらねぇ。欲しいのは、お前という甘美な菓子だ……来年はお前にどんな仮装させるか楽しみだぜ。お前も楽しみにしていろよ。その時も俺が美味しく頂くからな」

高杉は仮装しなくても、彼自身に存在する。
好色で嗜虐的な「悪魔」が……。

〜高杉晋助ver. 完〜

※お次の小説は少々ホラー・グロテスクな表現がありますのでご注意下さい。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ