Haven's door

□〜プロローグ〜
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「晴明、大切な話があります。夕食後、私の部屋に来るように。」
地球崩壊の危機から約3000年。
学校は全国に一校…、大半の学生は通信システムを使い、勉強している。
−晴明は通信生であるけれど、社会勉強をさせるには良い機会かも知れない。−
私は晴明を村の外に出す決意をした。
夕食後、晴明は言われた通り、私の部屋を訪ねてきた。
「姉さん、晴明です。」
「入りなさい。」
障子戸を開け、部屋に入るなり清明は話し掛けてきた。
「姉さん、話というのは、どういう用件ですか?」
「晴明、直ぐに旅に出なさい。貴方には、やるべき事があるはずです。」
「姉さんは、これからどうするのですか?」
「私は、この村で墓守りと神社の為に残ります。」
「ボクのやるべき事とは…。」
「目を閉じて、大地の息吹に耳を澄ませるのです。様々な生命の誕生と終着、苦しみが聞こえるでしょう?それらが、苦しむ要因を探り、助けるのが貴方の役目。まず、この村から出る事。お行きなさい。」
必ず巡り会うであろう人宛ての手紙を渡し、翌朝には清明を送り出した。
−神様、晴明が無事でありますように…。−
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