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□路上の花
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花を見たんだ
一輪の花を。
その花は、本当に一輪だけで、
周りに仲間なんていなかった
その姿を見て僕に似てると思ったんだ。
でも、違った。
君は僕なんかには似ても似つかないんだ。
君の咲いている場所は、
割れたアスファルトの隙間。
それは、君のような小さな花が咲くには過酷過ぎる場所で、
強い風や雨、
ときには人や動物にも踏み潰されるだろう。
でも、そんな過酷な場所でも
君はいつも美しく、とても綺麗に咲いていた。
あぁ君は強いんだね
周りに降りかかる自分の不幸を嘆くだけの僕なんかとは違って
そう僕は弱いんだ
だからせめて
とても強く美しい、君の真似をしながら生きていくよ
このことに気が付いたのは
君が枯れたその日だった。