―黙ってても好きなの―
私の大好きな、だーいすきな彼氏である真田弦一郎という人は。
普段からあまり喋らない人だけど、私といると尚更喋らない。
『ねぇ、弦一郎』
「どうした?」
『…ううん、なんでもない』
「…そうか」
『…………』
「…………」
ほらまた…、私が話し掛けない限り沈黙が続くの。
本当にコレで付き合ってるわけ?って聞かれたら。
うん、付き合ってるよ!って私は即答する。
だって…弦一郎が傍にいるだけで私は安心出来るし満足だから。
そりゃたまには甘〜いセリフの一つや二つ、言って欲しいなぁって思う時はあるけどね。
でも弦一郎は…。
『ねぇ、弦一郎…』
「……どうした?」
『………だいすき』
「ぶっ!!?」
目の前に用意されたお茶に口をつけたタイミングでわざと言ってみたら…。
案の定、私の思った通りの反応をする弦一郎。
「ゴホッ!ゴホッ……いいい、いきなり何を言うんだお前は!」
『大好きって言っただけだよ』
「むっ…べ、別に今言わんでもいい事だろう?」
『だって好きなんだからしょうがないじゃん…弦一郎は?』
「…………は?」
私の質問に目を丸くする弦一郎…質問の意味が分かってない。
そんな弦一郎に、私は容赦なく詰め寄った。
『弦一郎は私の事好き?』
「なっ!!?そ、そんな事は言うまでもないだろう!」
『ちゃんと言って欲しいな…』
「〜〜〜〜っ!!?」
そうやって私が言ったら、弦一郎はみるみる真っ赤になって。
でも小さく…ホントに聞こえるか微妙な声で、
「……お前が好きだぞ」
そう言ってまた黙ってしまった。
そんな弦一郎の横顔を見て、あぁ大好きだなって実感した。
黙ってても好きなの
(いつかは甘いセリフを言って欲しいな)
*お題提供*
【Largo様より】
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