お昼休み。
いつもなら伊達ちゃんと二人のお昼に今日は幸が加わる。

「伊達ちゃん!お弁当交換しよー?」

「OK、」
伊達ちゃんも俺様も自分で作っているので
味に飽きないように、たまに交換する。伊達ちゃんはマジで料理上手なのだ。

「あれ?幸はコンビニ?」

「ああ…いや、その…恥ずかしながら、料理は不得意なのでござる」
俺達の弁当を見て、俯く幸。なるほど。

「明日から、作ってきてあげようか?」
簡単なのばっかだけどさぁー
つい勢いで言ってしまった。こんなだからオ……オカ…オカンなんて言われるるんだよなぁ…うう!自分で言ってて悲しい!

「よいのか…?」
と此方を窺う。
ああもう!そんなうるうるした目で見ない!

「一人分も二人分も、んな変わんないしねぇ?あ、でも材料費は頂きますよ?」
つっても、そんなかかんないけどね?

「まことか?有り難いでござる」
嬉しそうに笑う幸は昔とあまり変わらない。

「お前等ってさ、幼なじみなわけ?」

「んー?そうだねぇ、多分?」
伊達ちゃんのお弁当にある、ナポリタンを啜りながら答える。

「どうでもいいが、院内であんまし、いちゃつくなよ…?」
幸を見て伊達ちゃんが言う。
いちゃつくって!なんじゃそれ!

「いちゃついてなんかないっしょ?んもう!大袈裟だなァー、伊達ちゃんは!」

「………っ!」
俺様とは対称的に赤面している幸。あれまあ、うぶなこと。

「なぁに?幸ちゃんは俺様といちゃつきたいのー?」
かっわいいねぇ?と気持ち悪いくらいの猫なで声でからかう。

「さ、佐助ぇ…!からかうでないぞ!」

「はいはい、冗談ですよーっと。さ、時間もないしさっさと食べよ?」

「……うむ」

「真田…大変なんだな、お前」

「分かって下さいますか!伊達先生!」

よくわからないけど伊達ちゃんと幸は早速仲良しみたいだ。うん。いい傾向だねぇ

幸は昔から人見知りが激しくて
実は心配だったりしたのだ。っても、10年前もの話だし
成長してるに決まってるよなぁー
ま、俺様は昔から人好きする器量良しだったけどねぇ。


「あっ!かっすがー!今日も可愛いねぇ」
遠くで金髪が振り向く。
「……お前か。」
此方に向かって歩いてきたのは金髪のナイスバディかすが。若いし美人さんなんだけど人妻なんだよね!

「研修医…新入りか?」

「そおだよ!ねぇ、かすがちゃんはお弁当もう食べたの?」
「まだだが貴様とは食わないぞ」
「ちぇ、つれねぇの」
読まれていた解答に僅か頬を膨らます。

「私は今から謙信様のところに行くのだ。邪魔をするな」

「謙信先生なら、さっき急用で出掛けてたぜ?」
伊達ちゃんが口を挟んできた。珍しい。

「そうか…わかった。ありがとう伊達」

「いや、別に。」
何とも淡白なやりとり。
かすがはそのまま歩いて行ってしまった。


「佐助、」

ん?と振り返ると幸の弁当はもう殆ど残っていなかった。

「なしたの?」

「…今日、帰りは暇か?」

「うんまぁ。夜勤とかじゃないし一応暇だよ?」

「そうか。ならば夕食を食べに行かぬか?」

「あー、家に食べに来る形なら構わないけども。外食はちょっと…」
ごめんね、幸

「食べに行っても良いのか?」

「うん、いいよー。あ、伊達ちゃんも来る?」

「no thanks、こじゅが作って待ってる」
嬉しそうに笑う伊達ちゃんは所謂バイ。こじゅとは最愛の恋人である小十郎さんのことだ。
まだ会ったことはないんだけど、凄く可愛い方、らしい。
あ、伊達ちゃんとは長いから別に偏見とかはないよ。

「そっか、了解。したら幸、帰り家おいで」

「あい分かった。礼を言うぞ、佐助」

いえいえ、と嬉しそうに笑っている幸に一言残して弁当を掻き込んだ俺様は休憩所を後にした。




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