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□夢の力2
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「やっぱり森は気持ちいいね!」

「うん。特に今日は天気がいいから。」

(あ…ヤバい。また眠くなってきた。)

「流架…ごめっ……。」

フラッ

「柚季!?」

「スースー……。」

「寝てるだけか……。」

(また夢…。…棗。私には、棗が何を言ってるのか分かんないよ。何を言ってるの?どうして顔が真っ赤なの?)

『…………だ。』

(え?)

『俺もお前が好きだ。』

パチッ

(今の夢……告白!?)

見なくても分かる。体温が熱い。私の顔は真っ赤だった。

「柚季、大丈夫?顔が真っ赤だよ?」

「う、うん!大丈夫だよ!」

「そろそろ教室戻ろうか。」

「そうだね。」

「ただいまぁー!」

「あっ、柚季ー。」

「心視、どうしたの?何かあった?」

「何かあったどころじゃないよー。柚季が帰ってくるのが遅いから、ホラ。」

心視の指が示した先には、不機嫌そうな棗が周りに黒いオーラを放っていた。

「な、棗?」

ギロッ

「フンッ。」

(えぇぇぇー!!私何かした!?何もしてないよね!何で不機嫌なの!?)

「あのー…棗?」

「帰ってくんのが遅いんだよ。」

棗の声は低い。

「流架、私どれくらい寝てた?」

「え、一時間半くらい…かな。」

「ウソっ!?」

(私そんなに寝てたんだ。まあ、こんなに遅くなったら棗も心配して怒るのもムリないよね…。)

「棗、遅くなってゴメン。」

グイッ

「えっ、ちょっと棗!?」

「黙ってさっさっと歩け。」

「…………。」

(何よ、コイツ。さっきまで拗ねてたくせに。)

「おい。」

「何?」

「お前森で何してたんだ?」

「寝てた。」

(絶対にバカにされる。)

「………バカだろ。」

(ほらね。)

棗は私の期待を裏切らない。こういう些細なことがあるから、私は棗の事が好き。だからつい、ニヤけてしまう。

「何、ニヤけてんだよ。」

「べっつにー。」

「……………。」

「棗、私ね…棗が好きだよっ!」

「!?…んだよ、それ。」

「え?」

「俺もお前が好きだ///」

(あ…夢と同じだ。棗の顔が真っ赤。棗の顔を真っ赤にさせたのは私だったんだ。)

私はおかしくて笑ってしまった。

「笑うなよ、バカ///」

そう言うと、棗は私を小突いた。




棗、アンタが喋りかけてくれると私はいつだって笑うことが出来るよ。
だから、
「ずっと一緒にいようね。棗。」

「………あぁ。」




私の“夢”のアリスは、未来に起こることをみる力、それを現実にできる力がある。まぁ、後数個の力が“夢”のアリスに含まれているけど。
お陰でたまに制御出来ず、力にあてられてこの前みたいに眠たくなることもある。

もしかしたら、私は自分のアリスに気持ちを見透かされていたのかもしれない……。

学園アリス夢小説I want You〜棗2〜
E・N・D
 

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