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□先輩
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「きゃー!」

「ベル君よっ!」

(ベル先輩……。)

じーっ

「何か用?」

「別に何もないです。」

ザワッ

「ちょっと何なの?あの娘。」

「ベル君に何の用事もなく近づくなんて。」

(とりまきめ……。)

「まぁ、許してやったら?」

「わぁー、先輩って心ひろかったんですねー?初めて知りましたぁー。」

「あっ、フランっ!」

ぎゅっ

「フ、フランっ?」

「昨日ぶりだねー、柚季。」

「しっしっしっ。お前の彼女か?」

「いやだなぁ、まだですよ。」

「フラン君おはよう!」

「あー、おはよう。先輩のとりまきさん達。」

「フラン、もう行こうよ。」

「うん。じゃあね、先輩。言っておくけど先輩に負ける気ないですから。」

「しっしっしっ、上等じゃねーか。」

「行こう、柚季。」

「うん。」




―休み時間

「ねぇ、フラン。朝言ってたのって何の話?」

「何もないですよぉー?」

「嘘ばっかり。」

「ミーと先輩の秘密☆」

「何もないってあるぢゃんっ!もういい、ベル先輩に直接聞いてくる!」

「えー?」

(先輩、余計なことしないで下さいよ……?)




「あの、すみません。ベル先輩いますか?」

「あー、アイツなら多分屋上で寝てると思うよ。」

「ありがとうございます。」


ガチャ……

「こんなとこで寝てると風邪ひいちゃいますよ。」

「…何の用?」

「……ちょっと聞きたいことがあって。」

「………。」

「朝フランと話してたのって何の話なんですか?」

「…却下。」

「………。じゃあもう一つ、先輩って……好きな人います?」

「いる。」

ガチャ

「ベル君ー?飲み物持ってきたよ。」

「サンキュー。」

(きれいな人だなぁ。もしかして先輩の好きな人って………。)

「だぁれ?この娘。」

「オレの後輩の彼女。」

「違います!」

「……何泣いてんだ?」

「………先輩なんてだいっきらい!」



「あーあ、行っちゃった。ベル君、追いかけなくていいの?」

「うーん、ちょっと教室戻る。」

(…可愛くねーの。)




「あっ、柚季。次移動ですよぉー?って何で泣いてるんですか?」

「フランっ!…うっ…ひっく……。」

「よしよし。…そろそろ諦めませんかぁ?先輩なんて。」

「…?」

「だーかーらぁ、ミーと付き合おうって言ってるんですよぉ。」

「え?」

「ミーは柚季のことが大好きなんです。」

「しっしっしっ!だと思った。」

「せ、先輩!?…何でここに…?」

「何でってお前を追いかけてきたに決まってるじゃんっ。」

「先輩もつくづくミーの邪魔してくれますよねー。そんなに柚季のことが好きなんですかぁー?」

「あたりまえじゃん!」

「は!?」

「先輩、本人がすごい驚いてますよぉ?」

「だ、だって!さっき先輩好きな人いるって……?」

「だからそれがお前なんだって。」

「もう…な…んで…?うっ……。」

「なんでってお前がオレのこと好きなことぐらい分かってたし。」

「!?」

「じゃあ…い…じわる……しないでよ。」

「だってオレ王子だもん。オレがお前に何したって王子だから許される。しっしっしっ!」

「…ワガママ王子。」

「……二人ともミーのこと忘れてないですかぁー?」

「え、あっ!ゴメンっ!」

「ミーの告白の返事は?」

「そんなのダメに決まってんじゃんっ!」

「ベ、ベル先輩?」

「柚季は今からオレのもんだ!」


               END☆

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