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□沖田と神楽
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「アネゴォー、私の画像アリガトネ!」
神楽は妙にもらったお花見の時の画像を大事そうにケータイにおさめた。
「いいのよ、神楽ちゃん。」
「なんか余計なサド野郎も映ってたアルけど。」
神楽はボソッと呟いた。花見の時に沖田が提案した、叩いてかぶってジャンケンポン大会でビミョーに神楽と映っていた沖田に腹がたっているのだ。そこに突かさず新八がツッコミをする。
「神楽ちゃん、そんな事言っちゃダメだよ。」
ガタッ!
皆一斉に、物音のした方を見るとそこには……、
「よーく分かっているじゃねーか。よう、チャイナ。」
「テメっ!!なんでドSがここにいるアルカ!!!どこに隠れてたアルカ!!」
そこには、沖田と山崎がいた。しかも、その二人は《真選組》の隊服を着ていた。
「俺達は別に隠れてなんていなかったですぜぃ、なぁ、山崎。」
「はい、沖田さんと俺最初からいたんスけど…。」
「ジミーはいてもいなくてもいいけど、お前がいるのは気にくわないネ!定春も抗議するアル!!」
ワンっ!ワワンっ! 神楽が定春と呼ぶと、大きな犬が元気良く吠えた。
「ちょっとォ!!!!『いてもいなくても』ってどうゆう意味!!俺、いていいの、それともいたらいけないのぉ!!!」
新八と同じように、山崎はつっこむ。
「あの、二人とも隊服を着ているということは仕事中じゃないんですか?」
新八は不意に疑問を思った。
…とそこに、
チャラチャラ〜
「げっ、副長からだ!」
山崎が副長と言うだけで沖田の目がつりあがった。そう、その電話は真選組の鬼の副長とも言われる、土方十四郎からの電話だった。
ピッ
『もしもし、山崎ですけど…。』
『お前、今どこにいる?朝 から総悟の姿が見えやしねぇ。』
『俺は今、万事屋のダンナのところです。』
(沖田さん探してるんだ。何か仕事かな?)
『もしかして、お前と一緒か?』
この時、沖田が山崎の肩に手を乗せて、こう囁いた。
「山崎ィ、土方の野郎に居場所を聞かれても無視するんでぃ。もし、バラしたらお前の命はないと思え。」
ヒィィ!
『ったく、あの野郎仕事ほっぽいてどこに行きやがったんだ、まったく…。』
『あの、副長…。』
『ん?』
『沖田さんなら万事屋にはいませんよっ!!!』
(なんか山崎の様子がおかしいな……!!!!間違いねぇ、総悟は万事屋にいるはず!!山崎の奴後でとっちめてやる。)
『分かった。総悟を見つけたらすぐ屯所に連れて帰ってきてくれ。』
『はい。』
カチャ
(ふ〜、なんとか副長をおさえる事が出来た。)
「沖田さーん、うまく騙せましたよ。」
次の瞬間、ガラガラガラと勢いよく万事屋の玄関ドアが開けられたのであった。
「山崎ィ〜!!!!誰をうまく騙せたってェー?こらっー、山崎ィ〜!!!!!!」
勢いよくドアを開けたのは土方だった。
「ヒィィ!!なんで副長がココに〜!?」
「まぁ、そんなとこで止めておいてくだせぃ。血圧が上がりますぜぃ、ただでさえマヨネーズで血圧高いのに。」
沖田はいつものように土方をからかった。そこに土方も間髪いれず、
「余計なお世話だ!」
と言い返す。そんな中、隣の部屋からこちらも勢いよくドアが開けられたと同時に、銀髪の男が現れた。
「ギャーギャー、ギャーギャー、やかましいんだよ。発情期ですか、コノヤロー。」
「銀さん、起きるの遅いですよ!もう朝ご飯さめちゃいましたよ。」
「うるせー。俺昨日飲み過ぎてから二日酔いで頭がガンガンすんだよ。ところでなんで、多串君と総一朗君がいるの?」
銀髪の男(銀さん)は、ダルそうに言った。
「あの…ダンナ、俺も居るんですけど…」
名前を出されなかった山崎は少し飽きれたように銀時に言った。
「……………………。つーか、神楽。なんでお前ハイテク電話機持ってんだ?」
「いや!!俺の事は無視!?」
無視された山崎が涙目で訴える。
「銀さん、今頃ケータイの事をハイテク電話機なんて呼びませんよ。」
銀時の言った発言に対して新八が訂正する。確かにこの時代、ケータイの事をハイテク電話機なんて言う人はいないだろう。けど、そんな事を言う奴がココにいるのだ。