踊る大捜査線

□Imitation couple 〜おまけ〜
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「え?また?」
「思いのほか上手くいったでしょ?だからね」
「だからって……」
「ほらそれに捜査費用、黒字だったでしょ?」
「ま、俺に商才があったってことだね」
「この間の張り込みの売り上げのお陰で捜査費用浮いちゃったからね。またあの大掛かりなセット組む余裕が出来ちゃって。これを繰り返せばもっとプラスになるかも知れないでしょ?どうせならマイナスになるよりプラスになる方がいいでしょ?だからね」
「だからって……」
「だよなあ〜?俺もさあ、どうせ張り込むならもっかいアレやりたかったんだよな〜」
「でしょ?だからね」
「だからって……」
「それにお二人の夫婦っぷりも板についてたようで」
「何かさ、すげえ楽しかったんだよな!! ね?すみれさん」
「だからって……」
「どうせだったらそのまま夫婦になっちゃえばいいじゃない!?」
「だからって……って何でそうなんのよっ!?」
「俺はいいと思うけどね」
「ね?ほら青島さんもこう言ってる……って何言っちゃってるんですかっ!?」
「そ、そうよっ、何言っちゃってるのよっ!?」
「へへヘ。言ってみた」
「バッカじゃないのっ!? それにね、あたしは体調的にももう張り込みなんて出来ないからねっ!!」
「普段は唐揚げ屋さんだけで結構です。張り込みも青島さんと和久くんに任せておいて下さって結構ですので」
「じゃああたしはいらないじゃない?」
「唐揚げ屋のおかみさんが必要でしょ?青島さんの奥さん役はすみれさんにしか無理です。だからね」
「そうそう!! やっぱさ、俺だってすみれさんじゃないとしっくりこないんだって。頼むよ、すみれさん」
「だって……てか二番煎じは通じないわよっ!!バレちゃうわよっ!!」
「そういうもんですか?」
「大丈夫じゃない?前とは場所も離れてるし」
「そういう問題っ!?」
「そういう問題でしょ?」
「大丈夫だよ、すみれさん。前の時だって誰も俺たちが刑事で夫婦じゃないってわかんなかったんだから」
「だからってねっ!!」
「そうですよ。もう夫婦にしか見えませんでしたよ。僕、本当に結婚したんだって錯覚しちゃいました」
「お前も?俺も実は時々、すみれさんと結婚したんだ〜って思っちゃって」
「自分のことなのにですか?こりゃよっぽどしっくりきてたんですねえ」
「きてたきてた。何か有り得ないくらいしっくりきてた」
「こりゃ、もっかいやらないとですよ」
「あたしはしっくりきてないわよっ!!」
「またまた〜」
「すみれさん、ノリノリだったじゃない?」
「……まあ、確かにノリノリだったけど……」
「とにかく業務命令です」
「そうくるっ!?」
「署長命令です」
「権力っ!?」
「何とでも」
「ひ、卑怯よっ!!」
「何言ってんですか?こないだちゃんと奢ったでしょ?仕事なのに」
「うっ……」
「それにバスで突っ込んだフォローだって大変だったんだから」
「……うう……」
「まあまあすみれさん。苦労はさせないから」
「おや?青島さん、プロポーズみたいですね〜」
「あ、ホントだ。てコトですみれさん。俺と夫婦になんなさい」
「誤解招くような言い方はやめてっ!!」
「俺は本気だけど?」
「またまたぁ〜そういうのは二人っきりのときにして下さいよ〜」
「そだね。二人っきりのときにもっととびっきり甘い言葉でプロポーズするよ」
「青島くんっ!?」
「え!? 青島さん、本気なのっ!?」
「ハハハハッ」
「からかったわねっ!? もう射殺するーーーーっ!!」
「こりゃ失敬!!」

(本気でしょ?青島さん)
(本気にしちゃうじゃない……)
(本気だよ?すみれさん、覚悟しててね)


 end

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