マカロン

□その最期は・・・・
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その最期は・・・         (ツナ獄※死ネタ


十年後設定














パンッ




乾いた音と共に視界を染める赤

その赤は、目の前の人物の鮮血。





彼を撃った敵はもうどこかへ行ってしまった。
けど、そんな事どうでもいい。

今は・・・








「獄寺君っっ」
「じゅ・・・だい・・め・・良かった・・」
「何言ってるの!早く応急処置を・・救護班もっ・・」
  
動揺して立ち上がろうとする俺の手を、彼は引いた。


「十代目・・・もういいんです。」
「な・に・・・言って・・・」



「あまり長く持ちそうに無いんで、よく聞いて下さい。」
「・・・・・・ッ・・」

「俺は、昔から人に必要とされる、という事が無かったんです。」
「知っての通りあんな家庭事情だったんで、人と関わるという事をしてこなかったんです。
でも、リボーンさんに呼ばれて日本に来た十年前」




貴方に、出会いました。




「ずっと一人でいた俺に、初めて居場所ができました。
十代目だけじゃ無い、リボーンさんや山本、雲雀、骸、シャマル、ディーノ、芝生頭、アホ牛
イーピン、笹川、ハル  沢山の人に出会っていつのまにか

俺は一人じゃなくなりました」

「・・・」

「それもこれも十代目のおかげでやってきた縁です。」
「そんなこと・・・」
「俺は、この十年間」


幸せでした。


「ムカつくけど楽しい奴らや、リボーンさん
そして
十代目に出会えた。」

「決して、明るい人生とは言えなかった俺の人生が貴方のおかげで毎日が楽しくなりました。」




「だから。貴方の事を守って死ぬのは本望です。」
「でもっ俺は君が居なくなったら・・・・ッ」
「大丈夫です。貴方なら・・・」
「無理だよ・・」

「い・・・ま・・・まで・・・・迷・・惑・掛けてすい・・ませんでした。でも・・・さ・いご・・・の我儘聞いて下さい。」

「な・・・に・・・?」

「し・・あ・わせに・・なって下さい・・」
「う・・ん・・」
「貴方に会えて良かった・・・」
「うっ・・・俺・・も」


その言葉を最期に、彼の瞳は閉じた












彼の葬式は、すごい光景だった。

山本とお兄さんは号泣し、雲雀さんは取り乱し、骸は葬式を最期に姿を消し、ディーノさんは放心状態になった。
リボーンさえも泣いていた。


俺は・・・・


ただ、魂の抜けたように突っ立っていた。











それから・・・
半年近くが、経った。


今俺は、彼の墓の前に居る。















「十代目っ」

そういっていた時の無邪気な笑顔は十年経っても変わらなかった。
あんなに元気だったのに・・・・
あまりに儚い最期だった。


俺は彼が死んでからは、一粒も涙を流さなかった。





否、流せなかった。















獄寺君、そっちはどう?
お母さんに逢えたかな・・・・
俺はあのとき君が言った、
「幸せになって下さい」
君の最期の我儘という名の願いは、
どうも、聞いてあげる必要は無いみたいだよ。

だって、俺の幸せは君と出会った瞬間にそこにあったから

君の最期は、儚くも、幸せそうだった

だから俺は今、幸せなのかもしれない



君が死んだ事で、心が崩れた人達を、俺は元に戻してみせるよ

君はそれを望むだろうから

何たって俺はボンゴレのボスだからね・・・



君に先立たれてから、一回だけ後を追おうとした事があった。

銃を手にとって、脳天に打った。


パンッ



と乾いた音が鳴る









筈だった








その銃には、弾が入っていなかった。
さっき入れた筈だったのに、消えていた。



どうやら、君は












俺が後を追うのを拒んでいるようだね

それなら










君が命をかけて守ってくれたこの命、この身が朽ち果てるまで、大切に生きさせてもらうよ


だけど 今は 俺と君の二人だけだから











その最期はあまりに儚く、美しかった


君に、誓いの決意と涙を送るよ・・・








END



























後書き


初★死ネタでっす^^
書きながら自分で号泣してましたよ←変質者
呼んで下さり、有難うでしたww

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