壱
□無常
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ある日、部活が思ったよりも長引いた
もう外は真っ暗だ
慌てて帰ろうと駐輪場へ向かったとき…
─サスケが女の子に告白されているところを目撃してしまった
「あの…、うちは君!
わ、わたし…うちは君のことが好きなの…!!」
「………」
「…うちは君…?」
「…あ、あぁ…悪い……
…なんだっけ…?」
「…だから、私…うちは君のことが好きだったの!
ずっと前から…!!」
「…悪い、俺…好きな奴いるんだ…」
「…え」
「…じゃあ」
「待って!
その子と付き合ってるの…!?」
「…いや、」
「…だったら!
付き合うまででも、なんでもいいからっ!!」
「俺…そいつ以外は考えれねぇんだ…」
「………」
サスケは自転車に跨がり、駐輪場を後にした
あぁ…
聞かなきゃ良かったってばよ…
俺、今自分の気持ちに気付いちまった…
─俺…サスケのことが“好き”なんだ
友達としてじゃなく…
だから、サスケに好きな人がいることがこんなにも苦しくて…
普段、サスケのことばっか考えちゃったりしてるのも…
気付くとサスケを目で追ってるのも…
─全部あいつが“好き”だから…
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