拍手夢れびゅう

…好きでいて下さい。
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ふと想う。


竜崎の髪って。




『……なんですか』

並んで座っていると、

じとー……と見られる。

「うん、」

『、』

髪を撫でて確認する。
「ああ、」


『なんなんですか』

「いや。
別になんかつけてるわけじゃなく
この髪型を維持してんのね
ほー…」

『……』

「カリスマ美容師としては気になるじゃない」

『いつからアナタ、美容師になったんですか』

「まー気にしないで。
竜崎、髪型変えようとは想わないの?」

『……』

『…………』

竜崎がうつむく。

「……どした、」


『あなたが、嫌なら変えます』

「へ」

『だから、
…あなたが好きな髪型にしてください』


唇をとがらせてうつむく名探偵。

「…なんでそういう話に?」

『だって……

好きでいてほしいです』


「…………」









竜崎の髪を櫛でとかす。

「じゃあ、はい。出来た」


鏡をみせる。

『………ママでも金、って言ってたあの柔道の方と同じ前髪じゃないですか』

「ヤワラちゃんヘアー」


『…しかもこの乙女力全開なゴムは…』

「可愛いっしょ?

水玉ボンボン付きヘアゴム」


『気に入りません
とってください』

「あたしが気に入ったからいいの」

『……好きですか?』

「ん、」

『…私のこ、


…………いえ、髪型』

「うん、好きよ

竜崎カ〜ワ〜ウィ〜イ〜」

『女子高生みたいな言葉遣いをしない
あなたもういい年です』

「…可愛くないけど
カワイイよ、竜崎」


『?』





いろいろ
ときめいたのはナイショ!




.



好きな人好みの自分でいようとする、

健気な乙女パンダ。





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