拍手夢れびゅう

…殴らないで下さい。
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『……眩しいです』

「もー早く行かなきゃ遅刻しちゃうでしょ」

いやよ、松田さんあたりにいやらしく勘ぐられるの、

「ただでさえバレないよーに時差出勤してんのに」
『松田がどうしました』

「………あたしたちが、その、」
『その』
「……、だ、からっ、あたしたちが、

『が?』
「………わかってよ」


『わかりませんよ、
サッパリわからない』

あたしが昨日みていたDVDの登場人物の真似をする竜崎。

「………だから、あたしたちが、一緒にね、」
『一緒に』
「…このような朝を」
『はぁ』
「迎え……て、るんじゃないかと松田氏は、」
『このような朝。』
それはどのような。

「………悪趣味甘党パンダ」

『わかりませんね、松田はいったい何を想像してるっていうんですか』

「だから、あたしたちが、その、」
…一緒に寝て、

『…一緒に寝て?なにが悪いんですか?』
すっとぼけている男を睨む。
『昨今、一緒にひとつ屋根の下に寝ている男女なんて日本中にいますよ?
キャンプしかり、合宿しかり』

「シチュ、シチュエーションがちがうでしょ」
な、内容が、

『いたって健全じゃないですか』

さぁ、なにが問題だっていうんですか。

「……あたしたちは、………し、してるじゃない、」
『なにを』

「…………っ、」

『なにをしました私たち』

「……ごめん、一回殴っていい?」

『いやですよ、ただでさえ腰がいたいのに、』

あなたが
もっと、って言うから、










竜崎、やっぱり殴られる。








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