拍手夢れびゅう

…誤魔化さないで下さい。
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『もう、よいですか?』

「まだまだ!まだっ!」

『…』

『アングルの問題というより、貴女の腕なのでは』

「おやつを抜くのがいいか、手伝うのがいいか」

『…もっと右に寄せてはどうでしょう』


「おっ!えらいえらい、
もう少しね!」

パシャ

「出来たぁー!」

『やれやれです』

「雪、
ワタリさんにも見せてあげたくて!」
『撮って送るまでもないと思うのですが、このさつま芋みたいなの』

「ちっがぁーうよ!雪うさぎ!
ワタリさんいつ帰ってくるかなぁー」

『私と二人きりじゃ不満ですか』
「信頼できないからね」
『さらっと酷いことおっしゃいますね』
「その通りじゃんねー、える?」

『?』
「この子の名前!」
『…、』
「この部屋あったかいから、
えるが融けちゃう!」
『さ、冷凍庫へ』
「なにを?」
『私の名を冠した
イケメンの雪うさぎをです』
「現金なやつめ!」
『べつに冷凍庫に入れなくとも
貴女の掌の上で融ける、
というのもまた一興ですが』
「ヘンタイめ!」

『ちなみに、まだお年玉もらってません』
「あげないわよ、庶民から巻き上げるつもりかー!
このひとりジャンボ宝くじめ、
あたしがお年玉欲しいくらいよ」

『では、』







「…」

『お年玉』
「…、」
『顔が赤いです』
「寒くてね。寒くて赤いの」
『室温24℃、充分です』
「インフルエンザかな、やばいな」
『それはいけない。
私も罹患してしまいます』
キスしちゃいましたから、


ね?



小首をかしげてくるこの男に、
今年も振り回される運命なのであろう。















(このね、初詣行ったときのおみくじヘンなの)
(なんですか?)
(握手やハグなどまめなスキンシップを心がけよう!自然と運気も上昇)
(素晴らしいお告げですね)
(…)

(なんの眼差しでしょう)
(神社、買収した?)
(神仏をも畏れぬ男に見えますか)
(まあね)
(私は貴女こそ恐ろしいですよ)
(ん?)








この私を夢中にさせるのですから、















竜崎、実はベタ惚れ。



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