コルダお題
□抱き締めてもいいですか
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2013.3.9
窓際で譜読みをしていると、近くにいた香穂子がソワソワとしている事に気付き、顔を上げた。
「香穂子? どうかしたのか」
「えっ!? あの、ううんと……その……お、お願いがあって……あの、ね……」
「ああ、なんだ?」
「――だ、抱きしめてもいい?」
「……は?」
あまりに予想外の言葉に、つい固まってしまった。
それに気付いた香穂子は慌てて、顔を真っ赤にしながら謝った。
「や、やっぱり唐突過ぎるよね! 譜読み中なのに変な事言っちゃってごめんね。ほんと、ごめん……!」
「……いや、すまない…謝らなくていい、ただ、いきなりで驚いただけなんだ。もちろん、構わない」
「……え? いいの……?」
「ああ、君が望むなら――おいで、香穂子」
俺が香穂子を受け入れる体勢を取ると、彼女は恥ずかしそうに微笑んで。
ふわりと柔らかな両腕が、俺を包み込んだ。
*Fin*
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