GS2

□SWEET DREAMS
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「大丈夫?」

じーっと彼の様子を伺ってみる。
焦点の定まらない瞳。


「いつも以上に眠そう」

話していてもどこかボンヤリ、うわの空。


「んー…」

くあぁ〜と大きな欠伸をひとつ。


「最近さ…、夢、見るんだ」



「夢?」



「そ。しかもすっげー夢見悪いの。
おかげで寝不足」


「ええ〜!?」


「目が覚めて、汗だくだし。
暫く、夢だって気付けなくて
心臓バクバクしてんの。

ああ…夢で良かった

てか夢、だよな?て」


うーん、と眉間に皺を寄せたまま伸びをする瑛を心配そうに見上げた。


「…疲れてるときとか心配事あるとそういう夢見るんだってね。どんな夢?」


「あ?」


「だから、夢の内容。どんなの?」

ズイッと顔を近づける。


「あー、…それは…」


………。


俺はオマエをさがしててるみたいなんだけど


なかなか見つかんなくて


やっと見つけた、って思ったのに


オマエ、

知らないヤツと幸せそうに笑ってて、


俺が呼んでも知らん顔で



俺は



必死で何か伝えようとしてるんだけど、


オマエは


俺の


姿にも


声にも


まったく気付いてくれなくて




俺の知らない誰かと手を取り合って


どっか行っちゃうんだ。




遠い遠い




もう



二度と会えない所へ。





音にならない声を枯らして
叫ぼうとして、いつも目が覚める。




…だなんて絶対言えないし。

(つーかオトメか、俺はッ)


自分でツッコミ百面相。



「て、瑛くん?」


ひとりでブツブツ言ってたかと思うと
眉間に深い皺を刻んだてた彼は

「あ!ま、まぁなんだ、とにかくアレだよ!不愉快極まりない後味の悪いイヤ〜な夢なんだっ!!わかったか!」


回想の世界にトリップしてしまった自分に慌てて、

思わず捲くし立ててしまった。



「…ってなんで逆ギレ気味なのよっ。もー…。」



「………」


今度はだんまりな瑛にちっちゃく溜息をつく。


むすっとした姿。だけどなんだか心細そうにも見えて。


「…じゃあさ、今度眠る時、側で手でも握っててあげようか?」



「………は?」



「仕方ないから、子守唄も歌ってあげる!」




「………。」


なんてね(笑)…と笑い飛ばそうとしたら




「…膝まくら希望…。」


とボソッと呟かれた。

思わず顔を覗き込んだら、

いつのまにかニヤッと笑う、いつもの彼。


「つーか、どうせなら、添い寝でもいいな。」

からかいの色を含んだ瞳が楽しそうに見上げてた。


「もうっ!元気じゃない!」

「元気な人にはそんなの必要ないでしょ?」


「ざーんねーん、またの機会に、だねっ」


伸ばされた手を軽くパシッと叩いた。


「イッテーッ!ヒドイ…いたわれよ…」


シクシクとわざとらしい泣きまねをする彼に

べーっと舌を出してプイッとそっぽを向いた。



ふざけあって発した言葉は

予想外に心拍数を高め

温度の上がった赤い顔を見られたくなくて

思わず冗談めかしたけど


もしも

眠れない夜があるなら、

いつだって呼んでほしい。


そんな時は眠るまで、

ずっとずーっと、側にいるよ。


淋しそうな顔なんてみたくないもん。


私が、守ってあげる。



それは彼には伝えてない、密かな想い。



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なんだかコレ。我ながら中途半端だな。。。┐(-。ー;)┌


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