REBORN-rose-

□LOVEの魔法
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今日は任務がない日。

自分の部屋にいるのも退屈で、今俺は一階にいる。


「ベル先ぱーい。」

「あ?」

「いい加減離れてくださいよーこれじゃー満足にケーキも食べられませーん。」

ソファーに座った俺の腕の中で暴れるカエル。

性格に似合わずケーキをほおばる姿は何とも可愛い。


「いーじゃん、マーモンはやらしてくれたぜ?しししっ」

ピクリと反応するフラン。

これを見て楽しんでいる俺には気づかない。


少しの沈黙

それでも俺はフランの言葉を待つ。


「・・ミーは、ミーは前任さんとは違いますもん。」

いつも強気なくせに、マーモンの話を出すとフランは小さくなる。

それが俺のS心をくすぐるわけで・・

ついついこんな事を繰り返してしまう。



「当たり前じゃん。」

マーモンはこんな可愛い反応しないし♪

「・・・。」

あーまた黙った。

怒ってんだろーなー・・しししっ

分かっていても口が止まらない。


「マーモンはほっぺプニプニだし、」

「・・・・・・。」

「何だかんだ言って素直だし?♪」

怒ってる、怒ってる

かーわいいっ♪



「・・・もぉいいですー。」

やっとしゃべったと思ったら、いきなり立ち上がる。

あれ?やり過ぎ?


「ちょっと待ってて。」


フランの腕を掴む。

俯き、顔を上げようとしない。

見えないけど

きっと顔をむくらせているんだろう。


「何?怒ったわけ?」

「・・・・」

ちっ、またダンマリかよ。


「なぁ・・何か話したら?」

何か言わないとつまんねえじゃん。



「・・って・・・・・」


「はぁ?」

「だって・・先輩、前任さんの話ばっかじゃないですかぁー。」


顔を上げ

俺を睨みつけている青緑色の瞳は

今にもこぼれそうな涙を溜めていた。

負けず嫌いな性格からか

涙を落とさぬよう歯を食いしばっている。


でも

その顔が俺にとっては逆効果なのを知らない


バカなガエル



もっと泣かせたい
もっと王子だけを見させて
もっと王子しか考えられないように




まぁ・・

今日は勘弁してやるよ


弱々しい腕を引っ張り、俺の胸の中にうずめる。




「マーモンよりは面白いんじゃね?」

「・・・・何ですかーそれ。」

「んー独り言。」


ポンポンと背中を叩くと

腰にフランの腕がまわる。


単純なヤツ。


こんな楽しいの誰にも渡さねえ



王子に睨まれたカエル


(好きなんて)

(言ってやんねー)

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