企画小説
□そのとき一番眩しかった星に僕の名前つけてほしいな
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じっと見られていた。
夜はそんな視線を無視して酒を飲む。
でも、確実にじっと見ていた。
それがちょっとの間ならなんの問題もない。
が、それは一時間前から始まっていたのだった。
「おい。文句あんのか?」
「え?なんで?」
「なんでってお前。ずっとこっち見てたろ。」
「えぇ!!!なんでバレたの!やっぱり、妖怪はすごいね。」
「お前バカにしてんのか?喧嘩売ってんのか?」
ひくっと頬を引きつらせながら言うがそんな呟きは聞こえてないらしい。
昼のリクオを勉強机の上に伸びていた。
夜のリクオをそんな昼の隣にある障子にもたれながら酒を飲んでいたのだ。
みんなの飲むのも好きだが、今は一人で飲んでいたかった。
「お前。さっきから全然筆進んでないぞ。いいのか?それ、あと何人分だ?」
「あと・・・5人分だ・・・」
「引き受けなきゃいいってのにな。」
「いいの。いい事してるんだから。さて、頑張ろうかな〜」
「お前って馬鹿だな。」
「テストの成績はいいよ。」
「そんな問題じゃないだろ。」
根本的なことが間違っているんだ。
大量に他の人からも宿題を受け取り、代わりにやっている。
パシリにされているのに、まったく気付いてない。
むしろ、それで喜んでもらえると嬉しそうに話している。
我ながらなんでこんなに抜けた人間になったのか不思議でならない。
「ね、君はここにいてもいいの?」
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