企画小説

□そしていつか読み返そう。昔々、ある処に・・・
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「と言うことだ。配役はもう決めた。文句は聞かねぇ。いいな」


幹部と息子のリクオ(昼と夜)はたった今二代目から配られた汚い字で書かれた紙を見て青い顔をした。

リクオ(昼)は自分の名前と配役の部分を何度も見返す。

眼を擦ったり、メガネを必要以上に拭いたりするがその文字は変わることはなかった。


「ね・・・これってなんて書いてあるのかな?」

「あぁ?三人官女だろ?それも読めねぇのか?」


いつもなら学がないと馬鹿にされることが多いリクオ(夜)は珍しく聞いてきた昼のリクオに勝ち誇ったように言った。

それは読めている。

第三者がそういうのだから自分の配役は三人官女なのだろう。


(ってか、なんで僕ってばいつでもこうやって何かあるとすぐに女装させられるんだろ)


七五三の時だって、女物のを着せられたしパジャマだってピンクだった時期もあった。

その度に泣き喚いて迷惑をかけていたが慣れとは恐ろしい。

最近では普通に着こなせてきた。

が、リクオはじろっと父を睨んだ。


(今回は違うんだよね。)


素直に着るか。


「あ〜。これって明日の話なのか〜。どうしよう。僕明日は部活の集まりがあるから、朝から出かけるんだよね。」


もちろん、嘘だ。

リクオ(昼)はわざと大きな声でため息交じりに言えば全員こちらを向いた。

父である鯉伴は睨んでいる。


「・・・予定なんかすっぽかせ。これは若菜のためにやってんだぞ」

「そんなこと言われても、予定は前から入ってたんだもん。こんな急に言われたって断れないし」

「今すぐにでも電話しろ」

「やだ。僕はそれに行かないとダメなんだ。」






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