企画小説
□来世ってとこにはやく僕をひっぱっていってよ
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あの真面目がどんな顔して抱いてくるのは想像するだけで楽しいな。
リクオは低く笑ったときだった。
目の前が桜で覆われた。
一瞬だったが世界から音が消えた。
目の前で寝ていた男も消えていた。
(来た)
やや諦めモードでリクオは眼の前の空間を見つめながら後ろにもいるであろう奴にも気を張る。
「なんだよ。また説教か?」
「ったく。この淫乱息子が。だいぶ緩んできたんじゃねぇのか?」
「誰だよ。最初に突っ込んだ奴」
「あ、それはわしか?」
後ろにいていつの間にかリクオの着物の裾から手を突っ込み、今まで使われて中に先ほどの男が残したものを掻きだすように指を入れてきた。
二代目であり、実の父親である鯉伴である。
そんな鯉伴の軽口を返せば、襖を開けて出てきたのは祖父のぬらりひょんだった。
何故かこのリクオの精神世界に二人はよく現れる。
こんな事を教え込んだのは、もちろん二人だった。
リクオはキセルを吹かし続けている。
「で、今日は一体何回やったんでぇ?」
「さーな。いちいち覚えてもねぇーよ。」
「ほぅ。まだやれるじゃろ?若いんじゃから」
「鬼か。お前は」
「これ、おじいちゃんに向かってなんってことを」
その格好でおじいちゃんもなにもないだろう。
と言いたかったがやめておいた。
どうでもいいのだ、そんなこと。
起きていても何も楽しくない。
ならば、なんでもいいから楽しかったらそれでいい。
リクオはキセルを置いて、自ら足を開いた。
「で、俺はもう準備できてるぞ?」
「・・・ちょっとは恥じらいってのはねぇのか。お前って奴は」
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