企画小説
□まぁ、とにかく結婚してください
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「ダメッ!!!」
「・・・なんで?」
「なんでって・・・今から、学校だもん。」
「関係ねぇだろ。」
「だから、ダメだってば!!!」
リクオは布団の上でじたばたと暴れたが、意味はなかった。
着替えようと寝巻きを脱いだ瞬間に布団の引きずり込まれたのだ。
妖怪であるもう一人のリクオに。
やっと体が別体になり、各々の活動時間の問題からか会うのはリクオが朝起きて学校行くまでの数時間と夕方の数時間だけだった。
そして、今日も朝起きて、少し会話して学校行こうと着替え始めたらこれだ。
最近、夜のリクオは昼のリクオを抱きしめるのが好きらしい。
「・・・はぁ・・・ひる・・・」
「ねっ・・・寝るなら放してよ!僕、行かなくっちゃ!」
「んだよ。うるせーな」
「うるさくないもんっ。馬鹿、夜の僕の馬鹿!」
「よるって呼べって。じゃないと放さない。」
「う・・・夜、放して「ヤダ」
「うそつき!!!」
もう、遅刻するよ!
ともがくも背丈が本当に今まで自分と生きてきたのか?と思うほどに違う。
簡単に押さえ込まれてしまう。
この甘えたにも困ったものだった。
リクオは暴れるのをやめて、ぽそっと呟く。
「今日からテスト週間だから、早めに帰ってくるんだよ?だから・・・夕方はいつもよりも一緒に入れるからね?」
「・・・本当か?」
「本当だよ。夜は勉強したいから部屋は別にしてもらうね。」
「夕方早くに帰ってくんだな!!」
「うん。」
部屋は別って話は聞いてないな。
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