企画小説
□僕と彼と友達のクリスマス
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「奴良くん」
「何?」
「ありがとう。君はなんて良い奴なんだ!!!」
「あぁ・・・リクのこと?いいよ。どうせ、家で寝ているだけだろうし。」
「僕の家にいるって思うだけで、嬉しいよ。」
「そんなに・・・」
そんなにどこがいいんだ?
興奮しながらリクを見ている清継を不思議に思いながら、リクオもリクを見る。
カッコいいといえばカッコいい。
切れ目とか、髪をかき上げる動作がカッコいいらしい(清継とつらら談)
すらっとした足だって憧れるし(青田坊談)
あの低音の声で話しかけられたらイチコロだと、黒田坊が言っていた。
(僕自身はそんなこと思ったことないんだけどな〜)
僕とは似ていないよね、程度にしか思っていない。
「お礼をしなくてはならないね。」
「え?いいよ、そんなたいしたことしてないし」
「いいや、させてくれないか。」
「いいってば。」
「したい」
「いらないって」
「させてくれ!!!」
ぐいっと目の前まで迫られたら頷くしかない。
そんなに連れてきたのが嬉しいなんて、とどこか複雑な気持ちだった。
兄のどこが。
よりも、なんで兄なんかが?
だったりするのだが。
個人の感覚の問題だなっと、納得した。
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