企画小説

□言えばいいのに
1ページ/4ページ


「クリスマス・・・?」

「そう!クリスマス!!!ぜひ、君たちを僕の家に招待したいんだ!!」

「何、何?清継くん宅でクリスマス?なんか楽しそう!」

「もちろん、世界中の有名パティシェにケーキを作ってもらっているからな。君たちもきっと気に入るさ」

「マジで!!!行く。絶対に行く!!!」


その一言で女の子が飛びついた。

リクオは友人の家でクリスマスを過ごしたことがなかったので、少し浮かれていた。

そんなリクオの肩に腕を回した、清継はこそっと耳元で話す。


「いいかい。奴良くん。」

「な・・・なに?」


こうやって話す時はあんまりロクなことを言われたことがない。


「君のお兄さんも呼んで欲しいんだけど。いいかい?」

「え・・・リクを?」

「だって。クリスマスなんだよ?奴良くん。憧れの人と過ごしたいと思うのが普通じゃないのかい?」

「・・・そうなのかな?・・・まぁ、聞いてみるよ」

「そうか、さすが奴良くんだな!!」


そう言って、大げさなぐらいに肩を叩かれた。

リクオは複雑な気持ちで頷いた。

清継は嬉しそうにまた、みんなの輪の中へと戻っていく。


(憧れの人と過ごしたいのか・・・僕の憧れの人って誰だろ?)


リクオはふっと考えた。







次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ