企画小説

□甘やかし方
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それはもう、理不尽としかいいようがない暴力だった。

コントローラーでおもいっきり頭を殴られる。

痛い。

クロナが何か言おうと口を開く前に、大きな手がその口を塞いだ。


「お前はここで座ってればいいんだよ。」

「・・・むがっ」

「なんだよ、お前。クロナのくせに生意気に俺に逆らってんのか?」

「・・・」


慌てて、首を横に振る。

そんな事してない。

できるわけない。

したら最後。

どんなことされるのかわかったもんじゃない。


「だったら、帰るとか言うな。いいな?」


縦に振る。

でも、つまらない。

手を離して、再びゲームに戻ろうとしたラグナロクの手を掴んだ。


「なんだよ。」

「あ・・・う」

「何もないのに掴むな。離せ」

「・・・」

「離せって言ってんだろ!気持ち悪い!」


手を振り払われた。

それでも、クロナは手を掴んだ。

俯いて。

ポツリと何かを言う。


「は?聞こえねーんだよ!」


小突かれた。


「・・・で」

「は?」






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