企画小説

□愛があればなんとかなる
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クリスマス当日。


「結局・・・・」


出来なかった。

台所は煤まみれ。

みかねた、父親が止めに入るほどにひどかった。

今日は縁が家に来る日だ。

縁自身は、別にどこでもいいし、クリスマスなんて祝わないでもいいとも言っていた。

押し切ったのは薫だったのだが。


「どうしよう・・・プレゼントも何も用意してないよ・・・」


ケーキで手いっぱいだったので、プレゼントは頭から追い出していた。

こんなことになるなんて。

ちょっとは考えるべきだった。

そんな事言っていてもしかたない。

なんとか、私服の中でもお気に入りの服を選び髪をいつもとは違うまとめ方をした。


「これでよしッ。」


プレゼントは謝ればいい。

そうこうしているうちに、チャイムがなった。


「は〜い。」

「・・・」

「あ・・・うん。いらっしゃい。」

「・・・神谷・・・」

「な・・・なに?」


開けると無表情で突っ立ている彼氏の雪代縁がいた。

じっとこちらを見てくるので、居心地が悪い。

見つめ返せば、眉をひそめられた。


「ケーキ買ってきたぞ」

「・・・・うん、ありがとう」


渡されたのは可愛い箱に入った、ケーキだった。

何かのあてつけっぽい気がしてならない。







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