企画小説
□愛があればなんとかなる
1ページ/4ページ
薫は目の前の黒い物体を見て、顔をしかめた。
今日はクリスマスの前の前の日。
クリスマスの為にケーキでも作ろうと、友人の鎌足のレシピを借りたのに。
(なんで、こんなに壊滅的に料理が出来ないの!!!!!)
スポンジを焼いただけなのに。
出来たのは炭とか化した物体。
何度やっても。
スポンジはおろか、食べれるのもが出来ない。
初めての彼氏を過ごすクリスマスなのに。
ケーキを作って、楽しくすごそうと思っていたのに。
(こんなんじゃダメじゃない)
あの人なら優しいから、絶対に食べてくれるのは食べくれる。
それにおいしくなくっても、ひねくれてはいるけど、おいしいって言ってくれるだろう。
嬉しいのは嬉しい。
けど。
(女の子なんだから、ケーキぐらいは作ってあげたい!!!!)
お弁当も作ったことはない。
と言うよりも、薫は料理が出来ないので作れない。
もう一度、卵を割る。
「絶対に作るんだから!!」
意外と頑固。
言ってことは曲げない。
薫は本日二パック目の卵と格闘を始めたのだった。
.