企画小説

□愛があればなんとかなる
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薫は目の前の黒い物体を見て、顔をしかめた。

今日はクリスマスの前の前の日。

クリスマスの為にケーキでも作ろうと、友人の鎌足のレシピを借りたのに。


(なんで、こんなに壊滅的に料理が出来ないの!!!!!)


スポンジを焼いただけなのに。

出来たのは炭とか化した物体。

何度やっても。

スポンジはおろか、食べれるのもが出来ない。

初めての彼氏を過ごすクリスマスなのに。

ケーキを作って、楽しくすごそうと思っていたのに。


(こんなんじゃダメじゃない)


あの人なら優しいから、絶対に食べてくれるのは食べくれる。

それにおいしくなくっても、ひねくれてはいるけど、おいしいって言ってくれるだろう。

嬉しいのは嬉しい。

けど。


(女の子なんだから、ケーキぐらいは作ってあげたい!!!!)


お弁当も作ったことはない。

と言うよりも、薫は料理が出来ないので作れない。

もう一度、卵を割る。


「絶対に作るんだから!!」


意外と頑固。

言ってことは曲げない。

薫は本日二パック目の卵と格闘を始めたのだった。








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