企画小説

□忘却
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「バカか。なんで7と6足したら8になるんだよ。」

「え?違うんですか?」

「・・・あのなぁ」


拾われたというよりもお供になってから約4日。

今は剣の修行よりも読み書き計算の修行中だった。


「ねぇ、志々雄さん。こんなのできなくても大丈夫ですよ。」

「俺が困るんだよ。ほれ、次だ次。」

「剣は何時になったら教えてくれるんですか?」

「読み書きは完璧だからな。算術さえ出来るようになったらな」

「・・・はい」


地面に書かれた数字と笑顔でにらめっこをする。

その顔に感情と言うものがないが、飽きてきたのは丸判りだ。


「おつかい行けるか?」

「?」

「これで好きなもん買ってこい」

「好きなもの?じゃあ、金平糖でもいいんですか?」

「好きなもんつったろ。脇差しは忘れずに持ってけよ」

「はぁ〜い」


志々雄から渡された小銭を手に宗次郎は先ほどとはまた違う笑みを浮かべてかけていった。


「にしても金平糖なぁ・・・」


あの砂糖の塊の何がおいしいんだか。

つい先日気まぐれで買ったものが妙に気に言ったらしい。

お使いのだびにそれを買ってくるようになった。

それで機嫌がよくなるからいいが。











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