企画小説
□忘却
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『助けて』なんて悲劇のヒロイン気取りの考えなんてない。
だって僕は男だ。
強いんだ。
「だって、もしあの人が間違っていないなら。あの時僕を守ってくれたはずなんだから。」
「・・・宗?」
「イライラするなぁ」
あの時。
助けてくれなかったくせに。
今更、僕の前に出てきて。
「あの人を見てると・・・なんかこう」
「坊や・・・」
「偽善者って感じかしますよね」
「・・・!!!」
あなたはもう忘れたかもしれない。
残念だけど。
僕はしっかりと覚えてるんだ。
あの時のこと。
「次はちゃんと殺しますよ。」
この世は所詮。
弱肉強食。
強ければ生き、弱ければ死ぬ。
でしたよね?
志々雄さん。
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