企画小説
□虫歯
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「いて」
「虫歯か?」
「虫歯だな」
ことの始まりはこの一言からだった。
虫歯。
それは、歯牙の硬組織を侵す疾患。
またはこれに侵された歯。
口腔内の殺菌の発酵作用が(以下略)の状態のことだ。
「・・・」
「志々雄。悪い事は言わないから早めに行くべきだぞ。手遅れになる」
「・・・」
「すでに手遅れだろ。」
真実の手からケーキを没収しながら、あくまで優しく諭す安慈。
解りきってるとでもいいたげな不二。
そして
「ばっか!!!俺に歯は特別性なんだよ!!!お前ら凡人の歯には用はねぇ!!!」
「今日は逃がすか!!」
「どけぇえええええ」
「不二。行くぞ」
「もう、ほっといてもいいんじゃないか!」
「歯は命の次に大切だぞ!」
「それもそうだが」
教室からもの凄い勢いで逃げ出した真実。
これは真実少年らが中学生の時に起きた事件。
バレンタインの2週間後に起きた。
『恐怖の歯科医事件』の全貌である。
って。
んなわけないんだけどさ。
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