企画小説
□はじめまして、弐番目さん
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あの男に対する恨みとか憎しみは言葉に表すのは不可能なほど膨れ上がっていた。
自分でも頭がおかしいんじゃないかと思うときもある。
例えば、あの男が息をしていると思うと咽を掻っ捌いてやりたくなる。
あの男が歩いていると思うとその足を切りたくなる。
あの男が笑っていると思うとその顔の皮を剥いでやりたくなったりもした。
自分は何がしたい?
最近では縁はそんな自分の歪んだ感情をどうしていいのかわからなくなってきていた。
そんな時だった。
あの男が他の女と暮らしていると聞いたのは。
姉の墓参りには全く来ていなかったのだとか。
姉を本当に愛していたのは自分だと証明されたのに嬉しくない。
どうしてだか、それさえも彼の歪んだ思考に嵌ったのだった。
あの男の女を壊したい。
と。