企画小説
□真夜中の味方
1ページ/8ページ
ガッシャーン
何かが割れる音の次に縁の悲鳴が聞こえた。
時間はちょうど短い針と長い針がてっぺんを指す時間。
「一体なんなのよ・・・こんな時間に」
慣れない場所での睡眠になかなか寝付けなかった薫は起き上がった。
音はやむことなく鳴り続けている。
しかたないので、のそのそと縁のいる部屋まで歩く。
「ちょっと、何時だと・・・!!!」
開けて絶句。
「縁!!何してるの!?」
「姉さんが!!!姉さんがぁぁぁ!!」
「お・・・落ち着いてよ。」
「あぁぁぁぁぁ!!!!!」
開けたそこにいたのは血まみれの縁。
窓ガラスは全部割れていて、布団は破かれている。
家具も壊されている。
縁は手に持っていた短剣を自らの咽に向けた。
「なぁ!」
「あ・・・あ・・・」
「もうっ!後で怒らないでよね!」
その辺にあった棒を掴んで薫は縁の腹に棒を叩き込んだ。
「がはぁ」
ぐらりと倒れて縁を何とか支えた。
.