頂き物

□犬も喰わぬは
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「雅也さん…確かに人の心は変わるものね。でも…剣心は昔も今もより多くの人の幸せの為に闘うって信念は変わってないの。これからも決して変わる事はない。」


「そんな事恋愛と関係ないじゃないか!」


「私は…そんな剣心の支えになりたい。ずっと側にいて剣心の笑顔が見たい。私が剣心の笑顔を守りたいの。」








カタッッ

「薫殿!」


「剣心!」


息を切らし剣心が帰って来た。

もちろん令を伴って。


「令殿…。薫殿は人斬りだった拙者の過去を全て知った上で一緒にいたいと言ってくれた。そして…拙者の過去のせいで命の危険に晒されながらも一緒に闘ってくれた。」

人斬りだったという言葉に驚愕する令と雅也。

剣心は薫を引き寄せ抱きしめる。

「けっ剣心////」


「拙者が怒ったのは…薫殿だから…でござる。愛してやまない人が他の人に触れられ良い気がするはずないでござろう?」


真っ赤になった薫は剣心の肩に顔を埋めたまま雅也に言う。

「でも…雅也さんありがとう。嫉妬で見失っていた自分の本当の心を取り戻す事が出来たから。」


「そうでござるな…二人には感謝するでござる。」


抱きしめる腕が一層強くなる。












いつの間にか令と雅也の姿はなく









「おい…いつまでそうやってんだよ…」

という言葉を飲み込んで、微笑みながら赤べこへと向かった弥彦であった…







end
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