兵庫県豊岡市の「県立コウノトリの郷公園」は2005年9月24日、自然界への復帰を目指し
人工飼育した国の特別天然記念物コウノトリ5羽を、世界で初めて試験放鳥した


 県が1965年に人工飼育を始めてから40年。同市で国内最後の野生個体が
捕獲された71年以来、34年ぶりにコウノトリが再び大空に舞った。放鳥の様
子は、愛知万博長久手会場のグローバル・ハウスで中継された。

 自然界に定着すれば、新潟県佐渡市で計画が進む国の特別天然記念物トキの野
生復帰に向けた参考になり、周囲の期待は大きい。

 24日午後2時半、郷公園前を流れる小川の土手に5箱が並べられた。秋篠宮
ご夫妻、河合隼雄文化庁長官や地元でコウノトリの保護・繁殖にかかわった約2
00人が出席。秋篠宮ご夫妻や河合隼雄・文化庁長官らのテープカットで、ふた
が一つずつ開いた。中から1羽ずつ出てきたコウノトリは、全長2メートルにな
る白と黒の翼を大きく羽ばたかせて空へ舞い上がった。集まった約3500人の
観衆から拍手と歓声がわき起こった。

  5羽は公園で人工飼育中の118羽のうち5羽(2−7歳の雄2羽と雌3羽)
で2年前に特別ケージに移し、自力で餌を捕る訓練などを積んだ八羽から選ばれ
た。
背中に発信機を装着し、人工衛星による位置情報やボランティアなどによる目視
で行動を追跡調査する。

30日にはさらに繁殖能力の高い別グループ4羽(オス1羽、メス3羽)を放鳥
し、5年計画で段階的に自然に戻す。

豊岡市内には3年前に大陸から飛来して住みついた野生のオス一羽がおり、ペア
リングが期待されている。
 

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