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□うわっ!
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「離せよ」
「‥‥‥。」
身長が俺よりある、白黒の髪した美形。
そいつに両腕を掴まれ、壁に押さえつけられて、全く動けない俺。
切れ長の鋭い、肉食獣のようなスカイブルーの瞳が、俺の顔の至近距離にある。
俺を眺める色白の整った顔は無表情だ。
品のいい、少し甘い香水の匂いがする。
俺は眉間に皺をぐっと寄せて、その厳つい美人を睨んだ。
身動きは全くとれない。
「何なんだよテメェ、殺すぞ」
「‥‥南学の奴か」
「‥‥‥はあ?」
南学ってゆうのは、ここらへんじゃ有名なお坊ちゃま男子高だ。
私立南凰学園高等学校、略して南学。
小中高全部あるマンモス高校。
金持ちの割合が高い。
お坊ちゃま学校って言っても、ヤンキーとかヤクザとか、普通の高校(?)みたいにちゃんといるらしいが。
因みに俺は南学じゃないぞ。
眉間に皺がさらによる。
男の俺を壁に押し付ける力が少し強くなった。
スカイブルーの深い色を俺は睨み上げた。
睫毛長いなコラ。
「どうなんだ」
「‥‥‥ちげぇよ。離せ」
俺の家はビンボーだもん。