にゃ〜の小説

□アリスの日記
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『君』はある所を目指していた。


『語り部屋』
その場所では素晴らしい物語が聴けるらしい。
君はその存在を知り、物語を是非聴いてみたいと思い、胸踊らせながら向かっていた……。


『語り部屋』の前に着いた…。
そこはお店のようになっている。

外から見てみると中は暗い。


誰か居ませんか?


と言ってみる。
すると、


「はーい!お客様ですか?」


不意に上の階から声がした。

パチン!

店が明るくなった。誰かが電気をつけたのだろう。


「遅れてすいません、書類の整理をしていたもので……」


目の前に現れたのは君よりも背が低く、まだ子供の用に見える少女だった。


物語が聴けるということで来たのですが…


「はい、この語り部屋では私達が体験した物語を聴いてもらうためのお店です」


君はふと不思議に思った、少女の肩のあたりに何かが浮いている。


「あっ、これは…」

『アリス〜〜、【これ】だなんて酷いよー』


今度は突然少年の声がした。
君はよく目を凝らしてみると、『アリス』という名前らしい少女の横に、青く、小さな狼が浮かんでいる。
その狼はスラツとしていて、どこか愛らしい。


『あ、お客さん、その名簿にサインしてね』


その狼が言いました。

君は机に置いてあった名簿にサインをした。

『ちなみに僕の名前はフェンリル。漢字で書くと【氷狼】だよ』

なんだか随分と明るい狼です。


「そこの椅子に腰を掛けてくださいね」

『どうぞどうぞ!お客さん』


君は椅子にとりあえず座った。
アリスも君と向かい側の椅子に座りました。


「物語をお聞かせしますね」


その手にはいつの間にか分厚い本が握られていました。


『しっかりと聴くんだよ?途中で寝たりしたらダメだからね?』

君はしっかりと、頷いた。



「それでは、全ての始まりは……」
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