short story

□キッカケ
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「そんな奴なんかじゃなくてアタシにしとけばいいのに…。」

ケラケラと笑いながら冗談半分にエルザはいつも言う。
嬉しいのだけどくすぐったいのよね。

「エルザ?好きじゃないのよ?気になるの。」

「変わんないって!だって最近ずっと天王はるかの記事見てるじゃない!会いたいの?」

「会いたいけど…会えるわけないじゃない…。」

「甘い…情報足りてないわよ?みちる。今度決勝まで残ったら一緒に走るの。」

「陸上の?」

そういえば…そんな事書いてあったような…。

「そうだよ。必ず彼女は来る。強いもの。
アタシだって勝てるか分からない。」

「エルザが…?」

だって…エルザ…全国で有名じゃない…?
レーサーの資質だけじゃなく…,陸上でもそんな資質を持っているの…?

やっぱり…風…あの人なの…?
会いたい…会って確かめたい。

「みちる,こうしない?」

「なぁに?」

「もし…アタシが天王はるかに負けたら紹介してあげる。もし…アタシが勝ったら…アタシのものになりなよ…?」

「え…?///」

エルザの真剣な眼差しに冗談は混じってないように思えた。

「な〜んちゃって!」

してやったりな顔をしてるエルザ。
いつも引っ掛かってしまうわ?

「もう///からかわないでッ////」

「みちるが可愛いからだよ?ほら,イチゴみるくあげるから拗ねないの。」

ぽいっと投げられたピンク色の紙パックを受けとればひんやりとした感触が広がった。
自動販売機…?とかいうもので売られてるみたい。見たことあるような気がするけど…。

「これ…どうやって飲むの?」
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