short story
□貴女が知りたい
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「え…?」
「アイツに…俺…劣ってますか?」
真剣な顔で聞いてみる。
俺の気持ちはいつだってマジだ。
見上げて,目に入った貴女の顔に浮かび上がったのは,
やっぱり,困惑した顔で…。
「え…星野君…?」
「…プ…ククッ。みちるさん…顔マジだ…」
貴女にそんな顔させたいワケじゃないから。
俺は,冗談という仮面を被る。
「え///んもぅ…騙したのね?」
子供のように膨れる貴女。
「ははッ!すいません!つい…」
「星野君ったら…///」
「まぁ冗談はこれ位にして!
身体,冷えちゃいますよ?どうぞ。」
扉を開ける。
「ありがとう。」
さっきとは,一変して,仕草が優雅な貴女。
「それではるかったらね…?」
帰っている最中は,アイツの事ばかり話してた。
でも,その表情がとても穏やかで,幸せそうで…。
俺にはこんな表情出させてあげれねぇ
って悔しくなった。
だけど…みちるさん。
貴女の幸せそうな顔を見続けたい。
それがたとえ,俺との幸せじゃなくても。
アイツの隣で笑っている貴女でも。
俺は,貴女が幸せならそれでいいって
何故かそう思えました。
「星野君,本当にありがとう。」
貴女と二人きりの時間はすぐに終わって。
「いいえ,お安いご用です。
みちるさん,公演お疲れ様でした!」
「また来てちょうだいね?今日はありがとう。おやすみなさい。」
「俺も楽しかったです。ありがとうございました!俺はこれで失礼します。」
今日はたくさんの貴女が見れました。
もっともっと,俺に貴女を教えて下さい。
貴女が好きだから。
そう思いながら車を発進させた。
end
→後書き