short story
□mail
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期待して待ちわびていた結果は
新着メールはありません
の表示のみ。
「はるかの…バカ…。メールするって言ったのに…。」
呟きは,静寂に吸い込まれ,消えた。
──────mail
チクタク…チクタク…
時計は進んでいく。
「はぁ…。」
今はPM7:00を回っている。
みちるの目の前には開かれた携帯が置いてある。
ため息を吐きながら携帯とにらめっこ。
はるかは昨日から泊まりがけのの大会に行っていて今は一人だ。
いくら今日が大会と言ってもこの時間には終わっているだろうと考えられる。
なのに,まだ愛しい人から連絡は来ない。
朝は何も言ってなかったわよね…?
『必ず,優勝してきてね?』
『当たり前だろ?僕を誰だと思ってんの?
お姫様に輝くトロフィーをプレゼントしないといけないからねv』
『ふふv嬉しいわ。王子様からのプレゼントを待っていようかしら?』
『ああ。待ってて!じゃあ,行くな?』
『…えぇ。いってらっしゃい。愛してるわ?』
『僕もだよ。愛してる。じゃ,帰ってきたらメールするから!行ってきます。』
それから…現在に至るのである。
「はぁ…。」
みちるは再び携帯を操作し始める。
メールボックス
新着メール問合せ
接続画面
接続画面の時間すらもどかしく,思わず
「もぅ…。」
と不満の声を漏らす。
そして,期待して待ちわびていた結果は
新着メールはありません
の表示のみ。
「はるかの…バカ…。メールするって言ったのに…。」
呟きは,静寂に吸い込まれ,消えた。