ちょっと前、私は圭一君とお付き合いするようになった。まさか、あの私が
なんて思ったりするけれど、本当にそれはそれは嬉しい事なんだ。
今、圭一くんは夢の中。ごめんね、疲れちゃったよね。
今日も今日で、宝探しにつきあってくれた。本当に優しいな。
一生懸命、私の欲しい物をとる為に頑張って、にじみでる汗。
笑って、とれたものを渡して……その姿は本当にかっこよかった。

「ありがとうね、圭一くん」
「……………」

返事はなかったけど、私はふわりと笑って目を閉じた。ひぐらしのなく声が、心地よい。








    お前にだけだと言われたら    








「ん、」

いつのまにか眠ってしまったらしい。俺は片方の手で目をこすって
周りを見た。ゴミがいっぱい。あぁ、宝の山か。
立ち上がろうとした時、肩に何か重りを感じた。
それは、レナの頭。レナが俺の肩に頭をのせて、すやすや眠っている。

「ふ。さて、どうするかな」

起こすか、起こさないか。あー、起こした方がいいかもな。
もう暗くなっている。7時くらいか?肩をゆさぶってみる。
起きない。今度は軽く頭を叩く。これも起きない。
仕方ないので、俺は

「レナ……起きないと、襲うぞ?」

そんな事を言ってみせた。もちろん冗談だ、俺にそんな度胸はない。

「そ、それは嫌ぁぁあぁああぁ!!!」

ビンゴ、起きた。レナはいきなり立ち上がって夢から覚めたらしい。
いや、もしかして寝言だったりするのか?

「はぅ。私達まだ子供だから、そういのは〜〜〜」
「……ぷっ、おはよう、レナ」
「え?って私寝てた?!」
「あぁ、おもいっきりな。いびきかきながら」
「え?嘘だよね?嘘だよね?!」
「あぁ、嘘だ。かわーいく寝てたぞ」
「は、はぅ……」

ちょっと焦っているレナは本当に可愛い。あー、このままお持ち帰り
して家でいただかうか、なんてな。
レナの頭を撫でて、俺はその小さな体を抱きしめた。あー、柔らかい。

「……?いきなりどうしたのかな?かな?」
「ん?いやー、なんか寒いからさ。レナに温めてほしくって」
「!!??」
「大丈夫だって、Hな事は一切しないから」
「……あ、うん」
「レナ、」
「何?」
「お前にだけだらかな、こういう事するの」
「…………」
「何黙ってるんだよ?」
「なんか、今日の圭一くん、いつにもまして、変態な気が……」
「…………」

くさい台詞を吐いてから、そんな事をレナが言うものだから、
俺はかなり落ち込んだ。というか恥ずかしくて何も言えなかった。
いいじゃないかたまには、なあ?

「わたしもだよ」
「え?」
「わたしも、圭一くんだけだから」
「レナ、」
「だから今日はずっと一緒にいよう。ね?」
「ここにか?!」
「…だめ?」
「いや、いいけど」


いまはまだかっこつけることに慣れない。
くすくす笑ってるレナに、余計に俺は照れていた。





(20060828)





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