しあわせ




緑色の綺麗で長い髪。結んだ髪をほどいたとき、ふわっといい香りがした。
どこのシャンプー使ってるんだろう?園崎家はきっと高くていいシャンプー使ってるんだろうな。
魅ぃちゃんに聞いたら、笑って、普通にどこにでも売ってるものだよって答えてくれた。
明るくて元気で太陽なような魅ぃちゃん。真っ直ぐで純粋で強くて優しくて……私の最高の親友。
少し前、私一人じゃあ抱えきれない悩みを打ち明けたら、真剣に考えてくれたんだ。
私は魅ぃちゃんがとっても大切だ。

「んー。おさげにしてみたらどうかな、かな?」
「えー。あたしじゃ似合わないよ〜」

ちょっと照れた感じに笑ってる。多分、本当にそう思ってるんだろうな。そんなことないのにな。
確かに魅ぃちゃんはかっこいいけど、とっても女の子らしい子なのに。
本人は気づいてないだろうけど。

「似合うよきっと」

私はからうかう感じに笑ってみせた。

長い髪を二つに分けて、三つに交差させて……私が結っている間、魅ぃちゃんは目の前の鏡をじっと見ていた。
きっとこんな髪型したことないんだろうな。
詩ぃちゃんはきっとしてそうだけど。



「はい、できたよ」
「……なんか……や、やっぱり似合わないよっレナには悪いけど……」
「もー。そんな事ないよ!もっと自身持って!」
「でも……」
「んー。でも服がなあ。よし!レナがもっと可愛くしてあげる!可愛くなった魅ぃちゃんお持ち帰り〜♪」

否定する魅ぃちゃんの言葉を遮って私はさくさく話を進めた。
私のクローゼットの中にはいっぱいかぁいい服がいっぱい。ほとんど着ないけどね。
今は夏だから、……うん、これがいい。水色のワンピース。シンプルだけどとってもかぁいい。
これで麦藁帽子合わせたらきっともっと素敵になる!
私は一人で微笑した。


なんでこんな私がはりきっているのかには訳がある。
魅ぃちゃんが次の日曜日、圭一君とデートするからだ。
そう考えると、胸がほわほわしてものからズキズキしたものへと変わっていく。

「……あーだめだ私!」

首を横にぶんぶん振って、気持ちを変えようと努力する。

魅ぃちゃんは、圭一君が好きなんだ。
圭一君も多分魅ぃちゃんのこと……好きなんだ。

私は魅ぃちゃんが好きだ。
……圭一君のことも好きだ。

それはどうしようもない事実。例えどんなに否定しても「恋」の気持ちは変えられない。

でも、




「ねえ魅ぃちゃん!このワンピースなんかどうかな、かな!」
「えええええええこれ!?」
「すっごいすっごいかぁいいでしょ!?」
「か、かぁいいけど……私がこれって……」
「だあーいじょうぶ!レナが保障する!絶対似合うよ、ほら早く着替えてきてっ」



……でも、魅ぃちゃんが、圭一君が、それで幸せなら、それでいい。
それがいい。
みんなが幸せになれるように、そうであってほしいから。

私は大きく深呼吸した。


「あーやっぱり魅ぃちゃん似合うっおおおおおお持ち帰りいいいいい」
「ちょ、レナ!いきなり抱きつかないでよっ」



それはとてもあたたかい日常で、切なさもあるけれど、幸せな気持ちでいっぱいだったんだ。





あとがき

レナも魅音もこうであってほしいなっと。原作の二人の友情はほんともう大好きで大好きで!
この話はレナが魅音を応援する側ですが、逆になっても二人の友情があたたかいものであってほしいです。
二人ともいい子です。大好きです。女の子のこういう友情(梨花+沙都子でも)とっても愛しいんですよね。
レナ魅、魅レナ万歳!
……あとがきになってないな(・・・)

(20080127)

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