03/19の日記

23:22
恋流星2
---------------


「パワーシールド??」

GK。
オレはそんな重大な役目を任された。
だから、いつでもゴールを守れるように。
「源王」の名に恥ないように。
帝国の元キーパーである、三年の先輩に「パワーシールド」という必殺技を聞いていた。

「そうだな、右腕を鍛え、精神を心に集中させれば自ずとできるさ。」


そういって、先輩はパワーシールドの解説図をくれた。


「右腕を…鍛えて…心に精神を…。」

部活の間、ずっと考えていた。
オレの一番の友人である、咲山修二は用事があるらしく、先に帰った。

「右腕に…。」
「なにブツブツ言ってんだ?」

「あ、え…鬼道。」

鬼道は、帝国学園サッカー部のキャプテンだった。
赤いパーカーをマントのように羽織り、青いゴーグルをかけている。


「必殺技を少し」
「熱心だな。」

「キーパーを任されたんだ。当たり前だろ!」
「ふん、責任感があるのはいいが、プレッシャーに負けるなよ?」

「…。」

オレが無言になると、暫く沈黙が続いた。

その間に商店街近くの角を曲がると、雷門中の生徒とすれ違った。

「…佐久間っ!?」
「!!」

「え…き、どっ?」

すれ違った直後に、鬼道は雷門中の生徒の一人の右腕を掴んだ。
知り合いか?と言おうかとしたが、相手は目を丸くしていた。

「…すまん、人違いだ。」

すると相手は苦笑いして。


「誰と間違った?」

「…昔の仲間、だ。」

「似ていた?」

「いい、や…。髪の感じだけ。」
「そんなに大切な仲間?」

「…っ、別に」

嘘つけよ。

だってさっきのお前。



赤かった。

「佐久間」ってさ。

どんな奴?

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ