あびすってる。

□第1話 はじまり
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場所を変えてここは朝方のタタル渓谷。まだ日がでてない薄暗い空間が広がる中、歌が響き渡った。その空間の中に顔の知れた者がいた。その中には不安な顔、唖然とした顔があった。

ティア「大丈夫。ルークは絶対帰ってくる!イオン様や六神将、兄さんだって帰ってきたのよ。だからお願い。みんなそんな顔しないで…」

うつむいてそう言ったティア。その瞳には涙が溜まっていた。だか涙を流さないのはさすがである。周りをみるとみんな青ざめている。しかし、何かおかしい。

アニス「ティア、ルークは絶対帰ってくるよ!だってイオン様たちが言ったもん。それと、青ざめてるのはそうじゃなくて…」

後半軽く引き気味のアニス。どうやらここにいる青ざめている人は不安でなったのではないらしい。だが、どうあれみんな同じ理由だろう。そしてルークがここに帰ってくると知ったのは先に帰ってきたイオン達に聞いたらしい。

ナタリア「そうですわ。私もルークが心配ですけどその…。今の大譜歌が気になりまして…」

ティアを気遣い言うのを躊躇したナタリア。迷った挙句分かるように言ったようだ。

ティア「も、もしかして音がはずれていた?」

前言撤回。言った意味がうまく伝わらなかったようだ。

ガイ「いや、そうじゃなくて…。ヴァンが大譜歌を歌っていたのを初めて見たからな。ちょっと驚いているんだ…」

さすがのガイ様も笑ってはいるが動揺している。それもそうだろう。あのヴァンが大譜歌を高くて細い声で歌っていたのだから。みんなが青ざめている理由はこれだった。

ジェイド「そうですねぇ。私も予想していたものとは大分違いがあり残念です。しかし人には個性があるのでいいと思いますよ。」

顔色ひとつ変えず話すジェイド。予想ってどんなものだったのかなんて怖くて誰も聞けない。

イオン「僕も初めて聞きました。いい声だと思いますよ。ただ、図太い声だともっと面白いと思いました。」

「ッッ!!?」

どうやら帰ってきたイオン様は少しおかしくなった様子。あんな発言をしたのに頬笑んでいます。

アニス「…イオン様?」

イオン「どうしましたアニス?」

アニス「…なんか少し変わr」

イオン「どうしました?アニス?」

アニス「いえ、何でもないです…」

ここでみんなは確信した。帰ってきたイオンは黒いのだと。

ヴァン「…私は大譜歌を歌うとき、専用の声『裏声』で歌うからな。驚いても無理はない。だがアッシュは聞いたことがあるだろう。なぜ驚く?」

帰ってきた2人目ヴァンは裏声で歌ったと言った。最早最終ボスだった威厳は髭以外にはない。

アッシュ「あぁ、聞いたらしいが6つのときに子守唄として聞かされたのを覚えてるわけねぇだろ!!」

ナタリアの隣でキレる帰ってきた3人目アッシュ。質問しただけなのにキレてもらっても困り者だ。

アニス「へぇ〜!子守唄聞かせてもらってたんだぁ。やっぱおぼっちゃまなんだねぇ♪」

アッシュ「う、うるせぇ!!ガキが知ったように言うんじゃねぇ!」

ナタリア「アッシュ、大人げないですわよ!」

ガイ「そうだ。やめにしないか!そろそろ日が昇る頃だ。日が昇ると同時にルークが帰ってくるとイオン達が言ったんだ。ここは感動の再k」

アッシュ「黙れッ!ガキはガキらしく引っ込んでろ!!」

アニス「確かにアニスちゃんはカワイイから狙われやすいかもしれないけど自分の身ぐらい守れますぅ〜!それにそんなに怒るとただえさえなりそうなのに本当になっちゃうよ。前髪後退♪」

ナタリア「2人ともおやめなさい!あなたも止めるのを手伝ってくださらないこと?」

ジェイド「止めたいのは山々ですがなんせ年のせいで足腰が痛むのでお断わりします♪」

イオン「アニス、その調子で言い負かせてください。」

ヴァン「ガイラルディア…苦労しているようだな。」

ティア「兄さん、彼はほっといていいのよ。」

ガイの話を聞く者はいなかった。そして言い争っている間に日が昇った。そして叫び声と共に何かが落ちてきた…。

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