あびすってる。
□プロローグ
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──ここは一体どこだろう。まわりに譜石が浮いているってことは音譜帯か?
その通り、ここは新しくできた第七音素の音譜帯だ。
──そうか、ローレライを解放するため超振動を使って音素剥離して…。だからこんなところにいたのか。ところでおまえ誰?
この場合誰と聞くまでもないだろう?
──あぁわかってる。ローレライだろ?
わかっているならなぜ聞いた。
──えっと、ノリで?
なぜ疑問系なのだ。…まあいい、私はおまえに伝えたいことがあるのだ
──ローレライはノリが悪いな。で、伝えたいことってなんだ?
ノリが悪くて悪かったな!…伝えたいこととはこの先についてだ。
──(俺の言ったこと根に持ったな…)この先ってずっと音譜帯にいていずれ…消えるんだろ?
このままいけばそうなる。しかしおまえはそれでいいのか?約束したのではないか?
──(解放される前なのになんで知っているんだ?)…あぁ、約束した。でも、果たせそうにないな。
体が与える、と言ったら…信じるか?
──ッ!!…そ、そんな事出来るわけないだろ!…でももしも、もしも与えてくれることが出来るなら、交わした約束を…約束を果たしにいきたい!
その心に揺るぎはないか
──あるわけないだろ!俺はッ!…本当ならずっとあそこに居たかったんだ。
そうか…。なら条件付きで第七音素でできた体を与えよう。
──ちょっと待て!第七音素で出来てたらまた音素剥離が…。
安心しろ。プラネットストームがなくなった今、乖離することはない。余程の力を使わなければな。
──よかった。それで条件ってなんだ?
私はそなたらの冒険に感動した。そのことを物語としてすべての者に伝えたいのだ。そしてすべての者が生命について考え、知ってほしいのだ。
──いい話だけどそんなこと出来るわけないだろ。もっとまじm
私は真面目だ!最後まで聞け!
──(ホントローレライどうかしちゃったよ)…すいません。
たくっ、だから近頃の若者は…。それで伝える方法としてドラマのように撮影してその撮影したものを見てもらい伝えたいと考えている。
──どっちにしろ俺だけじゃ無理だよ!
最後まで聞けと言っただろう。勿論関わった重要人物は全員参加してもらう。
──ローレライ、やっぱり無理だよ。ヴァン師匠や六神将、イオンだって!…そしてアッシュも全員死んじまったんだ!おまえだって知ってるだろ?
あぁ、それなら心配ない。…誰がおまえだけに体を与えるといった?
──ってことは全員に与えるつもりか?そんなことしたら第七音素を大量に消費して世界の均衡が崩れちまう!そしてなによりまた戦いになっちまう!
慌てるでない。体は失ったものだけ与えるのだ。亡骸のあるものはそれを使う。怪我を治し、私が今まで大切に保管してきたからな。それぐらいの第七音素の消費なら私の力でなんとかなる。それに、戦いになったりなどせぬ。
──なぜそう言い切れる?
私が説得したからだ。一緒に旅をした仲間、敵だった者、おまえの師、おまえのオリジナル…。すべての者がおまえの帰りを待っておるぞ。
──(どうやって師匠達を説得させたのだろう)…帰ってないのはあと俺だけなのか…。
私にはもう時間がない。最後に問おう。このような条件でも帰りたいか?
──帰りたい…。みんなのところへ帰りたい!
ならば叶えよう。…幸福を祈るぞ、『ルーク』よ。