*頂き物 文*
□本日は休戦日和
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「うぅ…、まだ頭痛が痛い」
ガノンドロフは頭をおさえ、森を歩いていた。余程ひどいのか日本語がおかしい。
そして、一匹のピカチュウを見つけると見下ろして、声をかける。そのピカチュウの名はピカである。
「おい、またオレンの実をくれないか。昨日から頭痛がしてな」
ピカは一人の野生的な少年に擬人化した。服は黄色と茶色のシマの原始人風(上半身も隠れている)、髪は黄色で左右対象に途中が黒かった。
「また、あの人との闘ったのかい?」
それに反して口調は冷静である。
「あぁ」
ピカが歩き始めたのでガノンドロフも歩きはじめた。
「断ればいいのに」
「断ったら魔王の名がすたれる。断っても、申し込まれるしな」
「(なんか矛盾しているような…)そうか。あ、着いた着いた」
ピカは小走りをした。
そこはピカや森の仲間が管理してる木の実畑である。ピカはオレンの実をとるとガノンドロフに渡した。
「ありがとう、これでまた頭痛が和らぐ」
「どういたしまして」
「ところで前から思ってたんだが、なぜわざわざ人になるのだ? 普段はあのような姿で過ごしているのだろう?」
「だって、あんたでかすぎて、あの姿だと相当見上げなきゃいけないじゃん。あと、オレンの実とるのに木に登る手間が省けるし」
ちなみにピカ原型時40cm、ガノンドロフ2m近くある。擬人化しても小柄なのでまだまだ身長差はあるが。
「しかし、あんたもさ十分に悪いと思うよ。僕も小さい頃、元の世界で住んでた森、人間に開発されかけたからあの人の気持ち何となくわかるし」
ピカは後ろで手を組み、地面に生えている草を蹴るように足をブラブラさせた。
「しかし、私は上からの命令に従っただけだ」
「……とりあえず、座らない?」
「あぁ」
二人は木の前に座った。ピカは言葉を続ける。
「上の命令に従ってたにせよ、実行したのはあんただろうよ?しかし、頭痛が長引くなんて、あの人相当怒ってるんじゃないかい?ちゃんと、謝罪したほうがいいと思うよ」
「ところで…お前はどうなんだ? 我々はあの時、お前を発電機として利用したが……」
「もう過ぎたことだから」
「そうか」
二人は沈黙になった。すると、人影が現れた。
「噂をすれば、影がさすってやつか」
ピカはそう言い、立ち上がって手を振った。
「おーい!」
人影の正体はロボだった。彼は手を振り返した。肘からカゴをぶら下げていた。
(ゲッ……ついでにタイマン申込まれたらどうしよう……)
ガノンドロフは内心そう思い不安になる。ピカは尋ねた。
「また、木の実かい?」
「うん」
「ところで、カゴの中に入ってるのは……?」
ピカは微妙そうな表情で聞いた。
「え? あぁ、サムスが食べられそうなのがあったら摘んどいてって言ってたから」
ロボはカゴを両手で持ち中身を見せる。それを見てピカはまた微妙そうな表情をして言った。
「でも、それモウセンゴケとかウツボカズラとかだよ。別の意味で食べられそう」
「別の意味?」
ロボは聞き返す。
「食べることができるのも、何かが補食されるのも、食べられるっていうじゃん」
「そっか!」
ロボは納得した。
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