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□君のみる夢。
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捜査の最中、月くんがソファーでうとうとしています。

夜は余り眠れていなかったようなので、仕方ありません。

が。此処よりもちゃんと寝室で眠った方が良いでしょう。普段月くんもそう言ってます。


「月くん、此処で寝たら風邪引きますよ」


…と、言った所で無駄でしょうか。意識は半分夢の中です。


「…んんーー……」

「らいとくーん」

「ぅーー……」

「……襲いますよー…?」


半分冗談、半分本気で静かにソファーに押し倒してみたりしました。
……ついでに、どうせならこのまま唇を奪ってしまおうかと顔を近づけた時。


「んん、」


ゆるゆると瞼が開かれ、焦点の合ってないとろんとしている瞳で見上げてこられたので思わず動きが止まった。


「………」

「あ……いや、月くん…」

「…………ぁ」


ふにゃ、と顔を綻ばせて満面の笑顔。
正直、クラリときました。


「ふふふ……トトロだぁ〜」

「…はい?」

「トトロー……」


月くんはそう言って腕を伸ばして私の頭を自分の方に抱き寄せました。


「ら、月くん??」

「…トトロふかふか〜…ふふ、……かわぃー…」


どうやら寝惚けて何かと間違えているようです。
クスクス笑ながら、楽しげに私の髪をわしゃわしゃしています。
……私としてはそんな月くんが可愛くて仕方ないのですが。

それにしても、"トトロ"とは何でしょうか。
後程ワタリに調べてもらいましょう。





「いけトトロ〜、……パンダマンにぃ、ダイレクトアタぁックー」

「月、くん?」

「……ょおーし…、これでかいぞくおーに……ぼくはぁ、なるー……」

「…………月、くん??」

「…………すぅ」








………………。





………御免なさい月くん。

普段の月くんからは想像出来ない位の、訳の分からぬ夢をみせるほど、貴方にストレスを貯めさせてしまっていたのですねー……。

……もう少し月くんに気を使った方が良いかもしれませんね……私。












ですが。
こんな風に寝惚ける月くんもとても可愛いと、そう思う私は末期でしょうか。





end





寝惚け月に、訳分からずおろおろの世界最高峰の探偵。

それにしてもどーゆー夢をみていたのやら(笑)。

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