‡箱館‡

□ダーリンは変わり者
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「俺は謝ったんですよ!それなのにこいつが!!」
それから、野村が春日を指差しながら物凄い勢いで事の次第を説明し始めた。
「つまり…」
こめかみを押さえつつ、土方が、長いわりにその大半が私情であった野村の説明を整理する。
「野村は謝ったのに、春日が許してくれない…。そういうわけだな?」
野村が大きく頷き、関係なさそうにそっぽを向いている春日を睨み付けた。
土方が大きな溜め息を吐き、春日に向き直る。
もうそろそろ、この『仲裁者』という立場が嫌になってきた。
「春日。お前に怪我さしたのは確かに野村が悪い。全面的に悪い。だがな…」
ポンと、土方の手が野村の頭に乗せられる。
「えっ…?」
「こうして野村も非を認め謝っていることだし…」
「うわっ!?」
言いつつ、土方が野村の頭を力任せに下げさせた。
「頼むから、ここは許してやっちゃあくれねぇか?」
「嫌です。」
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