09/28の日記

15:46
芭『信じてください』録『信じたい』芭『頼ってください』録『…頼れない。』
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愛情と信頼は別物だと思いません?(笑)  
 
 
【お戯れを】



『――ねぇ、録せんぱい。オレのこと信じて下さいよ…。』
『アンタがオレだけを信じてくれたら…』

『オレ絶対に、アンタを助けに行きますから!』



携帯から聞こえてくるミヤの声が、ひどく頭にひびく。一体なにを考えたのか深夜1時を過ぎようという非常識なこの時間帯に。
『あ、センパイ。起きてます?』の一言から電話をしてきて、言いたい事を好き勝手にしゃべり続けているミヤ。

酔っ払っているせいなのか、ミヤはなんの恐れもないらしく。先程からずっとオレを混乱させる言葉ばかりを吐き続けている。


『聞いてます、センパイ?オレ…本当にあんたが大切なんですよ〜!?』

『…‥聞いてる気。大体、嫌でも聞こえてくる気だよ、ミヤの声は。』

『なんスか、それ!!
もー!そんな風に冷たくしたって、センパイがオレのこと愛してるって分かってるんですからね!!!』


(・・・うるさい気。)



好きだとか大切だなんて、甘ったるい言葉。酔っ払いのオマエに言われたって、誰が本気にするかって。
第一オレが好きだっていうのなら、オレのことはもう放っておいて欲しい気。オマエに干渉されるのが、オレはなにより困る気だよ。あと、オレは誰のこともあてにはしなさ気。そもそも自分のことだけで精一杯なくせに何、言ってる気。


なぁミヤ…もうオレのコトなんか良いから。オマエは、前だけみてればそれでよさ気だから。もうオレに拘るのはよせよ。オレはオマエになにもしてやれない。それに…何を言われたって絶対、オレはオマエにだけは頼らない。


『ねぇ、センパイ…。オレあんたの為なら、どんな無茶をしてでもやります。本当ですよぉ…?だから…‥』


電話越しに泣きじゃくる音。ミヤは、壊れたオルゴールのように何回も何回も『信じて』を繰り返す。変なの、ミヤと違ってオレにはアルコールなんて一滴も入っていないのに…‥。
何だかとても涙腺が弱くなっていたらしく、気付くとポタポタと雫が落ちてくる。


『…分かったから、ミヤ…。――ね?もう寝る気。』


信じる、信じない。
半分半分。
――でも、けっしてミヤには頼らない。

だけど…


『ありがとう』



声には出せない言葉を唇でなぞり、オレは静かに電話を切った。ミヤがオレの事を大切に思ってくれている嬉しさと、それでも信じることの出来ない悲しさと。それが交じり合って生まれる、切なさとが。また今夜もオレを悩ませる。

―――あぁ、どうして愛と信頼っていうのは、別物なんだろう??



END



ミヤの事を信じて壊れるぐらいなら、あなたを失って一生泣くほうを選びます。…だって相手が相手なだけに壊れたら一生立ち直れなさ気だよ、オレ。
 
 
 

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