09/24の日記
14:29
エイプリルフール小話・芭録Ver『届いてほしかった』
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アナタのことが、ずっと前から好きでした。
「録センパイ、好きです。」
「・・は?」
「オレ、ずっとアンタが好きでした。」
「…‥な、なに言ってる気?ミヤ…」
オレに想いを告げられて、予想どおりに固まる、録センパイの表情。それはもう困ったように、眉を八の字にして。恐らく引きつっているであろう口元をなんとか動かし、半笑いにしながら「…冗談気でしょ?」と必死な目でオレに訴えてくる。
けれど、それでも譲らないオレの真剣な視線に気付くと、センパイは目をふせて。ただ、『困る』のだとオレに主張するように口をとざした。
「ねぇ、センパイ…なんとか言ってくださいや。」
「・・・。」
…別に、フッてくれてもかまわないってのにさ。アンタはそれさえもオレにはしたくないのだ、と。ただひたすらに沈黙を守る。
ヒデェよなぁ…決死の覚悟でしたオレの告白に対して、ただ、「困った」としか思ってくれないなんてさ。
「録センパイ・・・」
「・・・・。」
その上、気まずくなるのがヤだからって「YESもNO」もくれない気かよ?
ねぇ…、録せんぱい、アンタってさ…‥。
ホントにひど過ぎ。
「・・・なぁーんて、本気にしました?嘘ですよ!
エイプリル・フールっすよ、録センパイ!」
「!?」
「あれ?まさかマジに本気にしてたとか??
素直でかわいいッスねぇ〜、録センパイは。
…騙しがいがあって☆」
「なっ…!?だ‥誰も本気になんてしてなさ気!
い、今のはわざとミヤの嘘に引っ掛かったようなフリしてやっただけ気!!」
「ふぅ〜ん?」
「・・・!な…、なにをニヤついてる気!?もう知らな気!ミヤの馬鹿!!!」
怒って他のセンパイ方のところに走っていってしまうアンタに、オレは心のなかで呟く。
…どっちがバカだよ。
― ・ ― ・ ― ・
届いてほしい、困らせたくない、冗談ですから、忘れてください
こればかり繰り返す
それともただ、ホントは臆病なだけかな
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