09/23の日記
14:26
エイプリルフール小話・中学屑牛『嘘ごと抱き締めて』
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だって素直に「好き」、「離れないで」なんて言えないよ。
「屑桐くん!きみは今日は何の日か知っているかい?!」
「…あぁ。」
「本当に?…‥ねぇ、屑桐くん。今日の体育はマラソンを中止して、クラス全員でリンボーダンスをするそうだよ。」
「…ベタな嘘をつくな!知っている、と言っているだろうが。」
「…‥そっか、本当に今日がエイプリル・フールだって知ってたんだ。」
「フン、オレを騙せなくて残念だったな?」
「…じゃあ、言えるよね。」
「?」
「屑桐くん、…嫌い。」
「!?」
「嫌い、嫌い、屑桐くんが嫌い。僕は君が嫌いで嫌いで、仕方がない。」
「…‥牛尾…?」
「君となんて、一緒にいたくない。いつだって一刻も早く君と離れる日がくればいいと、そう、願ってる。」
「・・・・。」
「…本当に、大嫌いだよ‥、屑桐くん…‥。」
・・・馬鹿が。
そんなコト、わざわざこんな日にかこつけて・・。
そんな泣きそうな顔して、言うことかよ。
「…牛尾、」
「・・・・!」
オレは、嘘が嫌いだ。相手につかれるのは勿論、オレが相手につくのも嫌だ。だからオレは「オレもオマエの事が嫌いだ。」と、お前に嘘をつき返すことは出来ない・・・。
ならばせめて、その身を強く抱き、その唇がもう嘘をつけないように塞いでやろう。
オマエの嘘ごと、全てオレのものだ。
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なんだか乙女男(オトメン)な牛さんと、男前な屑さん。
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